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干し野菜を種市に

週末の種市には、干し野菜をたっぷりと持参します。

「四葉(すーよう)胡瓜」
もう何年も種取りしている、すどう農園のレギュラーです。
パリっとした歯触りが病みつきになる、濃厚なファンの多い四葉胡瓜。
「これしか食べない」と自給をする人も増えてきました。
近頃は短い胡瓜と交配した改良型の種も売られていますが、
すどう農園では原種を育てて種を取っています。

青草を蹴り上げて伸びる逞しい香り、
メロンみたいな甘みと、そのその裏返しに透けてくる、
なんだか牡蠣やホヤを思わせるほろ苦さは何?

落ち葉のミネラルの濃縮でしょうか。

試食ではシンプルに醤油漬けをお出しします。
美味しい野菜は引き算で料理、というのが農家の献立ですゆえ。

ちょっと珍しいズッキーニの干し野菜。

「玉ねぎと一緒にコトコト煮るといいですよ」と、
これは小鳥喫茶室さんのアドバイス。
作ってみると、いろいろ使えそう!

ズッキーニも胡瓜も、眼をそらした隙にグンと育つ夏の坊主たちです。
この旺盛ぶりはすごいもので、農家は朝と夕方に、毎日二回収穫します。

野菜に限らず、生き物はすべて、地上を巡る水の化態(けたい)なのですが、そう思って水気をたっぷり味わう夏もあれば、
太陽で凝らしたものを味わう冬の干し野菜も一趣です。
あの野菜がこんな味なのか! と驚くこと請け合い。

そうしてトマト。
これも農園で種取りしている「世界一」などの旨み系。
今頃のドライトマトは「アイコ」みたいな甘味系のものが多くて、
食べるとキャンディーですね。

どうして新しい品種はトマトでもトウモロコシでも、
やたら甘く甘くしたがるのでしょうね?
糖度ばかりを競い合ってどうするのでしょう?
野菜そのものの、甘み、酸味、辛味、苦み、渋み、

季節それぞれの味があって、食べる人の体調と相まって
良し悪しが見えてくるはずなのですけれど。
数値だけで判断せずに、じっくりかみしめて感じて欲しいものです。