おかげさまで2023コースは満員となりました。
4月からは「さとやま草木譜2023・新緑のコース」も始まります(ただいまお申し込み受付中)
さとやま農学校2023秋のショートコースは夏に告知の予定です。お見逃しのないようにメールマガジンを登録ください。
「さとやま農学校」は自給のための農業体験・無農薬の野菜づくり教室です。
まったくの初心者の方がほとんどです。
自然農をベースにした野菜づくりを学びます。農薬も、化学肥料も除草剤も一切使いません。牛糞や豚糞などの動物性の厩肥も使いません。市販の微生物資材も使いません。トラクターなどの動力も使わずに手作業だけで無理なくできる野菜づくりを学びます。都会の人が実践できる自給のための野菜づくりの方法が学べます。
水、木、土、日曜日の4コースの振替が自由です。シフト制のお仕事でも安心して通えます。
年間20回×4コースのうち、時間があれば20回以上通えます。通えば通うほど身につきます。
一緒に育ててシェアするので、自分の区画だけ、野菜の育ちが出遅れることもありません。
「コロナで心身が限界!土に触れたい」
「オンラインも仮想空間も不要!リアルな畑に行きたい」
「リモートワークがチャンス!都会を出て自給生活へ 」
「情報が多すぎる!何からどう初めるのか分からない」
「シフト制の仕事なので曜日を自由に変えられる講座がいい」
「同じような気持ちの人たちとつながりたい」
★1年で数十種類の野菜の作り方(完全無農薬)が学べます★
下の動画は、2021年6月の「さとやま農学校オープンファーム」の様子です。
映像作家の常井美幸さん(現在はイングランド・トットナムのエコビレッジ在住)が撮影・編集してくださいました。
2022年から水曜、木曜、土曜、日曜の4コースに増えました(各20回)
講座の途中でのコースの振替は全く自由です。
1月からはプレ講座として動画&種まきなどリアルな実習(希望者のみ)があります。
3月から12月まで、各コースとも20回づつ開催します。年間スケジュールはこちら
時間 午前10時から14時くらいまで。もっと汗をかきたい方は、ご自由に残ってください。
※8月は真夏シフトとして午前のみです。夕方がお好きな方は自主練できますよ。
Q場所はどちらでしょうか?
A 神奈川県相模原市緑区にあります。詳しい場所は、説明会に参加される方、もしくはメールのお問い合わせをいただければお知らせします。
Q これまでまったく土や植物に触ったことがないのですが、大丈夫でしょうか?
A もちろん大丈夫です! むしろ、そういった方々のための学校です。遠慮なくお越しください。
お子さんも含めて、土に触れた経験のない方が、たくさんいらっしゃいます。
Q 小さな子供が一緒でも大丈夫でしょうか?
A 小さなお子様連れの場合には、見守りの方が必要です(見守りの方は無料です)。広い場所ですので、お子さんたちはぐるぐる駆け回って遊んでいます。事前の説明会には、お子さんと一緒にいらしてください。ご理解もしやすいと思います。こちらのブログ「家族で野菜の収穫体験」もご参照ください。
なお、お子さま連れの方は、車で来ていただけるようお願いしています。こちらの送迎枠には限りが有りますし、帰りにお子さんが疲れて眠ってしまうことも多いからです。そのあたりのことも含めてご説明します。
Q あまり体が丈夫でないのですが参加できますか?
A みなさんの程度にもよりますが、無理をなさらずマイペースでご参加ください。病気から自給に関心が向いた方も多いです。本当に安心できる野菜を自分でつくりたい、というお気持ちを大事にしていただきたいと思っています。ただし喘息や花粉アレルギーなど基礎疾患のある方は事前にご相談ください。
Q 雨の日でもやりますか?
A やります。大きめのビニールハウスがあるので、そこで苗をつくったり、土づくりなど作業をします。ただし台風直撃など荒れる場合には延期します。たいていは翌週の同じ曜日になります。
Q ランチはどうなりますか?
A ランチと水分はご持参ください。おやつもご自由に。
Q 自分は自然農を学びたいのですが、どんな農法を学ぶのでしょうか?
A さとやま農学校には特定の「なになに農法」と決まった形はありませんが、農薬も化学肥料も動物性の厩肥も動力機械も使いません。自然界の大いなる循環・生き物同士の多様な共生の営みに育った野菜をいただく、という姿勢です。その意味で「自然農」と思います。
※なるべく耕さないという点でも自然栽培や自然農に近いです。厳密には、自然栽培も自然農も実践者それぞれによって考え方や方法論は違うので一言でまとめることは難しいので、さとやま農学校では数種類のやり方を比較していただきます。決まった型にはめこんで教えることはしません。一年間通っていただければ「このやり方が自分にはぴったりだ」というのが理屈抜きで感じてきます。どんな理論よりもご自身の感性が一番大事ですね。
※ただし、有機栽培と自然農の違いや、その逆に「それぞれの農法に共通して目指すところ」などはジックリ学んでいただきます。そのほうが長い目で見て自由に野菜づくりをとらえて行けるからです。なにしろ20回の講座ですから、それ以上も自主的に通ってもいいし、熱心な方は複数のコースにも参加されていますから、時間はたっぷりあります。
Q 刈り払い機などの動力機械も教われますか?
A いいえ。動力機械は使いません。講座で使う道具は、クワと鎌、レーキ、一輪車など人力の道具だけです。
ただし刈り払い機については学びたい人が毎年いるので、講座のあとの課外授業もできます。ご相談ください。安全な使い方、疲れない使い方というのがありますから、使いたい人は自己流でなく、きちんと知っておくことをお勧めしています。
Q お試し体験はありますか?
A ありません。毎年、スタート前に満員になってしまいます。
できるだけ事前の説明会にご参加ください。あるいは初夏のオープンファームなどのイベントもあります。詳しくはメールマガジンで告知していますので冒頭のページからご登録ください。
Q 一日だけの農業体験セミナーや野菜の収穫体験イベントなどはありませんか?
A ありません。一日や二日の体験セミナーでは表面的なリフレッシュで終わってしまいます。かつてそうした企画もやっていたのですが、どこか空しくなってやめました。農作業はじっくり季節を通じて取り組むことが大事です。同じ場所で種まきから収穫。そして種取りまでをやり通すことで本当の深みが味わえます。何度も繰り返してだんだん身体が覚えていきます。
ただし、農学校の受講生の方(修了生を含む)に限定しての非公開の内輪イベントは年間に数回やっています。ふつうのイベントよりはちょっと深い説明をする味噌づくりや、石窯を使ってピザやパンやクリスマスシュトーレンを焼いたり、畑でテントを張ってキャンプをしたり、草木染をしたり、皆さんと企画を出し合って、すっかり顔の見える間柄ならではの楽しい一日です。
Q 農家になりたいのですが、どんなものでしょうか?大事なことは何でしょうか?
A 「さとやま農学校」だけでは農家になれません。
あくまでも自給のための野菜作り教室ですので、プロの農家になるには別の形で学ぶ必要があります。最低でも3年位、マーケティングや経営も含めて、みっちり学ぶのがいいと思います。焦るとダメです。途中で脱落するリスクが高いです。
それでも将来的に農業を始めたくて、まずはきっかけとして農学校に参加される方は毎年増えています。イメージだけで漠然としたところから「ほんとに農業が自分に向いているか?」をリアルに確かめたくて参加されるわけですが、それも大事なことと思います。じっさいにそのようなステップで就農された方もおいでです。
なんにせよ、いきなり脱サラして農家になるのは無謀ですから。くれぐれもメディアの情報に振り回されず、ご自身の内なる声を確かめながら現実的に進んでください。
Q ゼロ歳の子どもがいるのですが、見守り役と一緒に参加できますか?
A 残念ですが参加できません。まだ歩けないお子さんの場合には休めるところも車中しかないので難しいからです。けれども、もう数年待って2歳位の歩ける時期になったらご参加ください。我が家もそうでしたが、お子さんにとっての畑はワンダーランドです。
ベランダのプランター栽培から始めたい。
家庭菜園で無農薬の野菜を自給したい
マンション暮らしなので、子どもを土に触れさせたい
アトピーになって食べ物の大事さを知った。自分で安全な野菜をつくりたい
在来種や固定種の伝統野菜の育て方・種取りを覚えたい
大きなカルチャースクールでなくアットホームに学びたい
早期退職の制度を利用して、数年後にリタイアを考えている
いつかは農村に移住したい。その準備をしたい
微生物や醗酵の基本から知りたい
すでに畑を借りているけれど本を読んでもわからない
大震災や異常気象に備えて、自給できる一歩を
賑やかに楽しく農作業をしたい。受講生同士で情報交換もできるといい
農家の援農に行ったら単純作業ばかりだったから、体系立てて、きちんと教わりたい
とにかく沢山の種類の野菜にチャレンジしたい
そう思いながらも・・・
いつも忙しくて時間に追われている、これが本来の自分ではないはず・・・
自分らしい暮らしがあるはず。それを取り戻りたい。
でも、どこから始めたらいいか、わからない。
そんな皆さんの場所です。まずは理屈ぬきでゆっくり体を動かして、土と触れてみましょう。そこから始まります。
農的な世界と都会の皆さんをつなぐこと。それが30年前に農村に移住してきた「すどう農園」のライフワークです。じつは私(すどう農園)も、都会から今の暮らしにシフトするには相当の年月がかかりました・・・・東京で働くかたわら、休日には農家さんを訪ねて援農に入りました。ですから皆さんにも、畑に通って土に触れていただきたいのです。
講座の内容は毎年アップデートしています。特に昨今は気候も変わってきましたし、コロナなどの影響で皆さんのニーズもより深いものになりつつあります。都会暮らしに疑問を感じて「もう都会に暮らす必要もない」と思い始めた方々も増えてきました。こういう想いは職場やご近所では話しにくいですが、明らかに時代の流れは変わってきています。
私(すどう農園)は、東京の下町生まれで、千葉(松戸)の団地で育ちました。畑などまるで縁のない育ち方をしました。小学生だった1970年代は、経済成長の一方で公害が深刻化。「この先、未来はどうなるんだろう?」大学では農業を専攻したものの、どうすれば農的な生活ができるか道が見えず。都会で就職するなかで「なんとか自分の行く先を見つめなおしたい」と悩んだものでした・・・じつは、その「見つめなおす時間」が非常に長かったのです。いま考えても、貴重な時間を、取り返しのつかないことをしたと思います。
いま「さとやま農学校」に通う皆さんも、先ざきへの想いは似たところがあるようです。このまま都会に浸った生活でいいのだろうか?仕事はもう限界だし。いま何とかしないと、この先どうなるのだろうか?・・・移住? 自給? 野菜づくり? 田舎に帰る?でもインターネットは情報が多すぎて、分からない・・・私自身が都会からの移住組ということもあり、そのような方々と、ずっと畑でお会いしてきました。
そうして2011年、3月11日。東日本大震災と、東京電力福島原子力発電所の事故がありました。これが私たちの価値観を大きく変える転換期となりました。今まで当たり前と思っていた都会の生活が、いかに危なっかしいものか。なんでもある、と思っていた生活の、じつは薄いこと。それが身に染みたのは、私たち農家とて同じです。
都会の暮らしは続けながら、自給菜園などで生活の中に農的な部分を取り入れたい。無理なく通える距離の農家と関係をつくって、畑にお手伝いで通えるようになりたい・・・一日限りのイベントでなくて、継続して過ごせる場所がほしい。
こうした想いを抱えた沢山の方が、すどう農園にお見えになりました。
しかし、です。
・・・農的生活にシフトしたいのに、玄関口がない!
これが大きな問題なのです。
お子さんの進学。ご両親の介護。その他の諸事情で簡単に移住できない人。そもそも「農家になるつもりはないけれど、農的な田舎暮らしを始めたい・・・」こうした声なき声の人たちは、どこにいけばいいのでしょうか?
大事なことですが「農的生活=農家になること」ではありません。農家と都市の中間の田舎ぐらしがもっと増えていいはずです。しかし雑誌やインターネットの情報ばかり集めても、きれいな成功事例をたくさん聞かされて焦るばかり・・・これは私自身が経験したことでもあります。そこで決心しました。数回だけの農業体験イベントやセミナーでは伝えきれないものを、一年かけて伝えよう。四季折々に、五感を通じてリアルを体験していただきたいと。
私も、東京の下町に生まれて農村に来た人間です。あるいは海外の農村で、自給を目指す人たちとも出会ってきました。いつも、ものすごいカルチャーショックを受けて、戸惑い、そしてなによりも楽しかった。そんな経験があればこそ、都会の皆さんと農的生活をつなぐかけ橋になれると思うのです。「さとやま農学校」は、ただのカルチャースクールではありません。
4期(2017年)卒業生の鈴木里佳と申します。
現在は奈良県宇陀市に移住しています。わたしはダーニング、夫はなんでも屋を生業としています。
当初は、「移住して農業を」なんてぼんやりと考えていたのですが、野菜を作ることよりも、自然の理について学んだり、土や空気の香りを嗅いだり、季節の移り変わりを眺めたくて農学校に通うようになりました。
里山は暮らしの知恵の宝庫です。
「さとやま農学校」でも、主宰のすどうさんを始め、まわりの方たちが里山の楽しさをたくさん教えてくださいました。
保存食づくり、草木染め、織物、編み物。そして針仕事。
人の暮らしの技術や美しさは知るほどに感激があり、自分でいろいろ試したり、人に教えてもらったりして、気がつけば服を手縫いで作ったり、家で穴空き服を探してダーニングしている自分がいました。
ダーニングは機械を使わず出来るのがよいところです。
針と糸さえあればよく、布と直接触れあうことができる「手仕事」です。
そして、ダーニングは直すだけじゃない、何か「+α」を足していく作業だと感じています。繕ったものが側にある、そういうのがひとの暮らしに愛おしさを足していくんじゃないかなと思います。
移住前に一度だけひっそりと「畑DEダーニング」をしました。
そのとき一緒に輪を囲んだ農学校の皆さんの笑顔がすてきでした。
またできたら、みなさんのもんぺをダーニングしてお代はお野菜で、というのをやってみたいなぁと思っています。
日々のダーニング活動はホームページやSNSに載せています。
ぜひともご覧ください。
ありがとうございます。
大宇陀ちくちく所
奈良県宇陀市大宇陀拾生2314
instagram: @chiku2ouda
facebook: @chiku2ouda
さとやま農学校には、お子さんも無料でご参加できます(ただし就学前後のお子さんは同伴の方が必要です。同伴の方は無料です。詳しくはこちら)
「畑で走り回って大丈夫?」たしかに、初めはそういう時期もあります。ところが不思議なことに、最初は興奮気味に走り回っている子どもさんたちも、だんだんと落ち着いてきます。野菜のある場所は、自然によけて歩くようになります。大地が教えてくれるのです。そうやって自然界とコンタクトしていく能力を、人間はもともと備えています。それがないままに都会の中でだけ育ってしまうことは、長い目でみて残念なことです。家族づれで3年も4年も通ってくださる方もおいでです。始めは土に触るのを嫌がっていたお子さんが、いつの間にか裸足が大好きになっていたりします。これもほんとうに土が育ててくれるのだなあ、と思います。我が家でもかつて小さかった子供を二人、畑の土に触れながら育てた経験もあります。週末は家族で畑ランチ、いま思えば夢のような時間でした。もう二人とも大きくなってしまったので、そういう時間はほぼありませんが、たまに農作業を手伝ってもらうと身体が覚えていて、とても手慣れた感じです。身体のどこか深いところで、小さい頃の記憶が根付いているのでしょう。
さとやま農学校は、農薬と化学肥料・除草剤・動物性の厩肥は一切使いません。
私(すどう農園)は、大学の農学部や農業試験場にいたころに、農薬も化学肥料も習っています。いま思えば、こうした経験も大事だったと思います。観念的なことでなく、あくまでも実際にその影響力、怖さ、リスクを実感できたからです。そのうえで、やはり化学肥料も農薬(除草剤)も無用、と言えます。さらに、いまは色々な農法があって、どれが一番いいのだろう?と混乱している人も多いでしょうが「どの農法が一番」という話はしません。そもそも比べることが無意味なのです。最初に固定観念を持ってしまうと、そのあと応用の利かないことになります。一見、大きく違うように見えるようでも、さまざまな農法の根底には共通した考えがあるのです。そこまで公平にじっくりときほぐしてレクチャーします。
私自身は、かつて大学(千葉大園芸学部)や農業試験場では農薬も化学肥料も使う慣行農法を学びました。その後は埼玉の小川町や沖縄・宮古島をはじめとして各地の先輩農家の皆さんに教わり、東南アジアやオーストラリアなど海外の現場でもオーガニックな農法を教えていただきました。その後、自分なりに歳月をかけていろいろな農法を試した結果、身の回りの落ち葉や青草・緑肥で土を育てる自然農になっています(この辺の話は長くなるので、続きは説明会で)。
★機械を使わない昔ながらの農法
トラクタや管理機などの機械も使いません。ホームセンターで売っているクワやスコップだけです。体力のない人でも無理なくできる体の使い方を学びます。
★牛や豚、鶏などの厩肥は使いません
牛ふんや鶏ふんなどの動物性の厩肥も使いません。農学校に参加される人で家畜を飼える人はいませんから現実的ではないのです。しかも市販の牛糞や鶏糞は、家畜の餌のほとんどが遺伝子組み換えの輸入大豆や輸入トウモロコシによるもので、さらに日本の家畜はワクチンや抗生物質などの薬漬けであることを考えるとむしろ有害です。使うべきではありません。
★身の回りにあるもので土を生かす・お金のかからない土作り
農学校での土づくりは落ち葉や青草、米ぬか、台所の生ごみを基本にします。どこにでもあるもので土づくりはできます。特別な資材・高価なものは無用です。市販されている微生物資材(〇〇菌、〇〇酵素)のたぐいは一切使いません。じつは私も、かつてはこうした資材に高いお金を払った経験があります。農業を始めたばかりの頃、ワラにもすがる想いで買ってしまうのですが、
これは依存心を高めるばかりで本当の意味での自給にはなりません。微生物の種類が企業秘密なこと、お金を払い続けないといけない点ではブラックボックスですね。
しかし、私たちの役に立つ微生物は身の回りにいます。土づくりに使う微生物は醗酵食と共通しています。土づくりを進めるほど、畑の微生物と醗酵食の微生物の共通点が見えてきて理解度が深まります。ことさらなお金をかけずに、身近な素性のわかる素材だけで農作業をしましょう。固定種の種取りもやります。すでに種取りをしている在来種を使い、毎年また種を取ります。農学校で使う野菜の種は固定種が基本です。すでに自家採取した種も相当の数になります。
さとやま農学校は、農家の手伝い(援農)ではありません。皆さんの専用の畑を用意します。収穫も、すべて皆さんのものです。栽培は共同で行います。市民菜園のように個別に区画が割り当てられるものではありません。種まきから収穫まで、あくまでも皆さんが一貫してやります。
はじめのころの作付は、だいたいこちらでメニューを考えますが、ご希望も受け付けます。一人の畑では種も経費がかかるので、種類も限度がありますし、どの品種を選んでいいかわからないものですから、農学校では遠慮なく色々とチャレンジしてください。収穫したばかりのオーガニックの美味しさ、どこの農家にも負けません。なんといっても自分の手でつくった野菜は、最高です。
あれこれ試して失敗もたくさんやってみましょう。どんなプロでも、失敗しない人はいません。たくさん来れば来るほど、体も慣れて野菜作りが身につきます。講座以外の平日や日曜日でも、自主的に来る人もいます。できるだけたくさん土と触れ合ってください。
とても大事なことですが、固定種(在来野菜)の種取りを進めています。講座で使う種も、その多くがすでに自家採種したものです。農学校の修了生の皆さんにもご協力いただいて、数十種類の種を蓄えるほどになりました。「自分以外の世界とのつながりを取り戻す」という意味で種取りはとても大事なものです。ぜひ皆さんも種とりを覚えてください。
「すどう農園」では修了された方々と一緒に、一日イベントも不定期で開催しています。これは農学校のメンバーだけの非公開のイベントですので、顔の見えるアットホームな空気で楽しんでください(参加費は別料金です)。焚火も人気コンテンツです。いまどき焚火の出来る場所は限られています。キャンプ場でも、炊事場以外は焚火が禁止が多いですね。でも、人間にとって火を囲むことは原点です。畑でテントを張ってキャンプしながら火を囲むのも、農学校の楽しみです。後半になれば講座の中でも、ときには火を焚いてお芋など焼いて食べたりします。
★あれこれ試す・面白そうなことをやってみる。
とにかく農の世界は十人十色。いえいえ、一人で何通りも試したりするから、そうなると十人で百色!栽培方法を変えて結果を比較するようなこともやってみます。たとえばジャガイモの種芋の植え方ひとつでも、色々なやり方があるのですが、どれが良い結果をだすか、それは自分自身で試してみることです。誰がなんと言おうとも、自然が一番の先生です。予想しなかった結果、成果が出てくるときの面白さと言ったら!
★失敗も大事な道のりです
その逆の失敗も、もちろんあります。農業は毎年が一年生です。
いろいろ試して経験値を上げていきましょう。あるいは草が生えて大変な思いもしますが、それもまた除草剤を使わないオーガニックのリアルです。じっさいに皆さんがこの先、ご自分で畑など借りると、梅雨入りから物凄い雑草に襲われて(!)悲鳴を上げることがあります、というか、ほぼ確実に悲鳴をあげます。こんなはずではなかった!という自然界のリアル。まあ、みんなで草取りすれば、だいぶ楽なものです。そんなことも含めて、身体と頭を一緒に動かして、土に学びましょう。
「すどう農園」代表
須藤章(すどうあきら)
(プロフィール)
1984年に千葉大学園芸学部園芸学科を卒業。専攻は育種学。
その一方で旅が好き。主にアジア各地の農村を旅しました。
今のような「在来種」という言葉がほとんど知られていない時代でしたが、世界各地を巡る中で、伝統的な野菜や植物の遺伝資源が失われつつある様子を見ました。山奥の村に行っても、化学調味料や日本の種苗会社の種子が売られている様子は、なかなかショックだったわけです。大学の授業とは別に国内の農家で教わりながら、農薬も化学肥料も使わない「有機農業」を知り、将来をどうしたものかと迷いました。
しかし、農家でない人間が就農できる余地は非常に狭かった時代です。その一方で海外とのつながりも深めたいと板挟みのように悩みながら、卒業後は海外協力団体(NGO)のスタッフとして農業協力に携わりながら、心は自給的な有機農業へ惹かれていくのでした。
アジアの農村で自立を目指す人たちと東京での生活の往復は、やはり東京の自分のライフスタイルに矛盾ばかりが感じられました。どうしようもなく後めたい気持ちです。
「他人の国のお手伝いよりもまず自分が自立しないと」という想いが日に日に強くなり、かなり自分自身が厳しい精神常態に追い込まれました。気が付けば東京駅の地下通路で歩くこともできずに立ち止まってしまったこともあります。それは決して愉しい経験ではありませんでしたが、この時間は意味のある経験だったと思います。やはり人は、苦しいことも経て、そこを抜け出たところに、ひとつ新しい境地にたどり着けるのではないでしょうか。
その後は都会の仕事を辞めて埼玉県小川町での有機農家さんで、研修生としてお世話になりました。さらにそこから天然酵母パンの草分け「ルヴァン」を経て、石窯のパン屋を神奈川県の旧藤野町で開設。ここでようやく、自分が自然界とつながることができた。そういう実感を得たのです。いま振り返れば、それまでの道筋にはすべて意味があります。無駄な時間はなかったといえます。宮古島ぐらしの2年間を経て相模湖に戻り「すどう農園」を設立。
ここまでの道のりは紆余曲折、枝分かれ、行きつ戻りつの迷い道でした。それは今も続いています。そんなすべてを受け入れてくれる里山の世界をありがたく思います。これまでの色々な経験を活かして、都会の人たちにそして未来の人たちに、里山の多様性の豊かさや愉しさを伝えていきたいと思っています。
著書に「石窯のつくり方・楽しみ方(農文協)」など。
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