たか菜の種取り

春を待つ雲仙こぶタカナのなかに、ひと株だけ綺麗な葉色が出ています。

別の漬け菜(同じアブラナ科のもの)が交配したのでしょう。
これから何年か交配・選抜を繰り返してこの形質を育ててみようと思います。


生物は、色などの形質に関して遺伝的な「優劣」があります。
たとえば人間でも瞳の色が茶より黒の方が出やすいですね。だから茶色は劣勢形質。
あくまでも表面的に発現しやすいかどうかという意味での優劣なので、茶色の瞳が黒い瞳よりも視力が弱いというような意味ではありません。

おそらく今回の葉の色は、あまり見かけない劣勢性質かと思います。
これ一株しかないので、別の普通のタカナを掛け合わせて、秋にまた播いて、そのなかにひとつでも同じ色が出るかどうか。
幸いにも色が出たら選抜してまた種を取って、と繰りかえします。
アブラナ科の種取りは、夏の繁忙期から梅雨にかけての忙しい最中です。
あ、と気が付くと失敗してしまうこともありで、気が抜けないものですが、だんだん家族が増えて大地に満ちていくような愉しさは、かけがえがないものです。