本の出版にかかっています

火を焚いて、あれこれ食べながら、日頃想っていることを話す。一番無理のない執筆方法
火を焚いて、あれこれ食べながら、日頃想っていることを話す。一番無理のない執筆方法

こんにちは。

神奈川・相模原で自然農を営む「すどう農園」です。

ずいぶん久しぶりに本を上梓する運びになりました。
農文協から「石窯のつくり方・楽しみ方」を出したのが20年前ですから、月日の経つのは早いものです。
すでに当時はパソコンがあって、そのときは憑かれたような勢いで描き下ろしたものでしたが、今度はゆっくりと進めます。

内容はだんだん書きながら詰めていくスタイルなのも、前回とはずいぶん違います。
実用的な本ではなくて、いま私たちが暮らすことの根本に関わることを書き連ねていこうと想っています。
それはたとえば、畑の草取りのときに、ふと降りてくる言葉が元になるものです。だから、ことさら構えないで始めます。いつものように穴を掘って火を焚いて、そうしてお酒を飲んだり暖かいものを食べたりする。そのときに浮かんでくる言葉、放っておいたら空に消えていきそうな言葉のストリングスを、つまんで束ねて結んでみる。

昨今は物事が便利になったおかげで、焚き火の話を動画で撮って、あとから文字に起こす段取りです。動画はいいですね、畑の様子が見えるので音声だけのデータよりも雰囲気がわかるでしょう。ただし、音声ソフトが荒起した原稿は、いったん紙に打ち出します。アナログに戻し、肉筆で加筆修正していく作業です。これは時代の逆行みたいだけれど、大事な手作業。本で読むときの文章の流れや語感は、実際に手で書いて感じておきたいから。そもそも日本語は筆で書くものだから、キーボードでは微妙な輪郭を出すのに無理を感じるのです。皆さんはいかがでしょうか。