なぜ熱中症になるのか

西日本は大変な豪雨、そしてこちら関東は猛暑の毎日。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

 

すでに熱中症の方も周囲に見られる季節になりました。

というか、いまどきの夏の初めに熱中症は多発するようです。

昔から「暑気当たり」や「日射病」はあったけれども、涼しくして休めば収まる程度のもので、熱中症のように後遺症や再発につながることはありませんでした。

現代病とも言える「熱中症」は、いったいどのようにして出てきたのでしょうか?

 

先日、汗がご専門のドクターと久しぶりに食事をしてきました。

かつて共著で本を書いたこともあり、あるいは諸々の原稿のお手伝いをしたこともあり、20年以上の長いお付き合いです。

話はおのずと熱中症の話題になりました。

熱中症の原因はズバリ、冷房の過剰な普及で体温調節ができなくなったことだとドクターは断言されます。

まさに現代病と言える所以ですね。

以下、その要旨を展開します。ちょっと長いですよ。

体温の調整はとても大事なことです。
そもそも体温が1度上がると、体内の酵素活性も格段に活動量がアップします。すると体内の様々な酵素による代謝活動も活発になり、それにつれてさらに体温も上がります。つまり体温が上がっていく上昇スパイラルになるのですが、それを抑えてくれるのが汗なのです。

 

体温を調整する汗は汗腺から出ます。

汗腺か田皮膚表面に出た汗の気化熱は膨大なもので、それが体表面の温度を下げ、ひいては身体全体の体温を調整してくれる仕組みです。逆に、首まで湯船につかると汗の蒸散作用が利かないのでのぼせてしまうわけです。

汗腺の機能は、生まれてから5歳までの間に、後天的に備わるものだそうです。

つまり5歳までに、冷暖房完備の状態あるいはほとんど運動せずに(それこそゲームばっかりして)汗を十分にかかずに過ごしてしまうと、そのまま汗腺が未発達の成人になってしまう。これは人間として大変なことで、体温の調節ができない爬虫類のような変温動物になりかねないし、実際にそうした子供が増えてきているようです。

なかでも最大のリスクは脳内の温度だそうです。

冷房の涼しさは、まず体表面・皮膚のセンサーによって脳にモニターされて汗をストップする指示が汗腺に届くのだそうです。

ところが、皮膚と違って脳の体温は皮膚のようには急には下がっていないため、いわば冷却機能の止まったエンジン同様、オーバーヒートしてしまうリスクがあります。

とりわけ、暑いさなかに急に冷房の効いた状態に移った時があぶない。ときに生命にもかかわります。

猛暑と急冷を繰り返すと、その長年の蓄積は中長期的に脳に影響をため込んでしまい、その結果のひとつが熱中症と総称される急性の症状や後遺症になる。

 

都会で生まれ育った私が農村に移り住んだ理由のひとつは「夏の冷房漬け社会から逃げたい」というものでした。

他にもJR東日本の過剰なアナウンスなど、逃げたいものはたくさんありましたが、とにかく「冷房なしで暮らせない都会の夏」というのは、かなり大きかった。

今も真夏に都会に出ると、夜はぐったりしてしまいます。出るべき汗が出なかった不全感で身体が鬱屈しているのがわかります。

だから暑い日のベストの過ごし方は、昼は休んで夕方になってから畑に行くこと。

ヒグラシの鳴き声を聴きながらしっかり汗をかくと、だんだん気温の下がってきた里山の気配の中で、自分もまたクールダウンしていくのがわかります。

これでいい、という文句なしのピリオドを打って一日がオシマイ。

だから、小さなお子さんいる方は、とにかく汗をかかせてあげてください。

農家として付け加えるなら、汗をかくのは、土の上がいいです。それもできたら裸足で。