里山は、自分の畑だけ守ればいいというものではありません。
高齢化と過疎も進んでしまって、ともすれば自分の畑を電気柵で守るのが精いっぱいという状況は、いかにも追い込まれた寂しい状況ですが、自分だけで抱え込むのでなく、できるだけ周囲の人、都会の人の手も借りながら里山を一緒に整えていくというのが、これからのスキームです。里山や森が荒れてしまえば、それは国土はつまるところ、この国まるごとの衰退につながります。かつてのように人口も多く、大家族で、子供も含めて誰かしら日常的に里山と交っていた生活スタイルはない以上、少しづつ、できるかたちで荒廃地や鳥獣外の課題と接していくことが大事です。
この数十年、ほぼ毎日里山で手を動かす中で、鳥獣害にも竹や笹の繁殖にも、時に投げ出したくなるほどの思いをしてきました。お金をできるだけかけず、力のない人が手を合わせてやっていける形を皆が望んでいます。それは全国を席捲している「大地の再生」などに伺えるように、農村も都会の人も垣根を越えて取り組むことです。その機運は醸されてきたと実感します。
まずは手を動かしていきましょう。できればいまの時期がお勧めです。
緑に触れたい方は4月からの「さとやま草木譜」にご参加ください。