自家製の醤油を搾る

こんにちは。

神奈川・相模原の里山で自然農を営む「すどう農園」です。

醤油搾りの季節になりました。
加工場で醗酵させた醤油醪(しょうゆもろみ)を、少しづつ搾っています。

 

醤油醪(もろみ)を自分で搾るにはどうすれば良いか。市販の圧搾機は大規模な業務用ばかりで自家製の醤油圧搾機はありません。圧搾機の作り方を色々考えてステンレスの板まで買ったのだけれど、やっぱり難しい。袋に詰めたペースト状の醪に重圧をかけて、その圧力でも壊れない頑丈な容器と言うのは、言葉にすれば非常にシンプルなので、なんとなくできそうなのだけれど、それがなかなか・・・。

 

考えて考えて、それだけで数年かかったのですが(笑)、ふと閃いたのはつまり、醤油諸味の圧搾機に囚われすぎていたわけです。単なる圧搾機に選択肢を広げたら、ありました。蜂蜜の分離圧搾機。なにしろ小さくて安い。写真のように場所を取らないスケールです。諸味を別売の袋に入れて少しづつ搾ると、半日ほどで10リットル搾れました。十分でしょう?まだまだ醪はあるので、この冬は折々に醤油搾りです。

本来が醤油諸味を想定していない製品なので、写真のように出口に部品を噛ませたり、搾った醤油をコンテナに吸い出したりと言うのは自作です。農園の加工部の淡谷さんは東京農大の醸造学科で小泉武夫先生の門下生だったので、治具の作り方もお手の物だし、醗酵界隈の技術はじっくり教えていただけます。今回は一番搾りだけではもったいないので二番搾りも使いました。醤油の濃さについては比重から塩分に換算して、市販の醤油のスタンダードに決めました。手前味噌ならぬ手前醤油ですが、やり方は色々ありますね。

いま加工場には数年分の醪があるのですが、年によって醤油の味と香りが違います。テロワールといえば格好良すぎかな。使った小麦の品種やその他の原料で変わる部分も大きい。これは醤油麹の段階ですでに明らかに違いがわかります。ほんとうに奥の深い世界だなと思いますが、今まで醪の仕込みでお世話になっていた埼玉の醤油屋さんがお亡くなりになったので、この冬からの醪の仕込みは、種市以来お世話になっている信州・上田の「なつみ農園」さんにお願いします。大豆や小麦を有機栽培している、志ある農家さんです。

醤油の話になると味噌以上にキリがないので控えますがひとつだけ。醤油の起源というのが、人によって説がだいぶ違います。これがロマンだなあ。

 

搾った醤油は、静置して滓下げ、それから火入れをします。
良い香りです。いつもながらの幸せな気分。

ちなみに、この醤油は市販していません。大豆も小麦も無農薬栽培のものだけですが、あくまで自給というか、いつも農園に来てくださる「さとやま農学校」などの皆さんとシェアします。農学校の皆さんの育てた「津久井在来」も今年は非常に元気に育っているので、この津久井在来大豆で醤油も作れることでしょう。みんなで育てた津久井在来大豆で醸す醤油は、どんな香りのものになるでしょうか。とても楽しみです。

その「さとやま農学校2023コース」の説明会が今月から始まります。大豆も含めて、一緒に自給への一歩を踏み出してみませんか?冬には味噌の仕込みもありますよ。かまどで薪を燃やして津久井在来大豆を焚き上げて、味噌を仕込みましょう。