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自然農キャベツと団粒構造

自然農の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園
自然農の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園

こんにちは。

神奈川で自然農の野菜とハーブを栽培する「すどう農園」です。

「自給のための無農薬の野菜づくり教室・さとやま農学校」の固定種キャベツ「富士早生」の収穫も終わりました。
今は7月なので、まもなくここには冬のブロッコリーやケールの定植が始まり、その後にまたキャベツの定植も続きます。
春のキャベツは冬取りキャベツのための練習という感じでやってみました。昨今はかなり秋の遅くまで虫がいるので、6月と同じような構えで虫の対策もしなければいけません、その意味でも春に一度チャレンジしておくことは重要です。

自然農法の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園
自然農法の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園

キャベツを収穫したあとです。
雑然としていますが、一般的にはこのようなままで放置せずに、根っこから抜いてきれいに片付けます。
これらはいわゆる残渣(ざんさ)と呼ばれるものですが、病害虫の温床になるということで、持ち出して処理するのです。
しかし自然農では、こうしたものをそのまま活かします。ウィルスにかかった病気の野菜などは例外として、収穫以外は畑の外に持ち出さないというのが原則です。少し観察してみましょう。

自然農法の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園
自然農法の野菜作り教室@さとやま農学校・すどう農園

キャベツは、最初に外葉が広がります、これは結球しないので収穫されることhがありません。この外葉が、ご覧のように大地を守るように広がって土に還っていきます。キャベツは食べる部分も美しいですが、この姿も私は美しいと思うのです。
この外葉をめくって下を見てみたものが下の写真です。だいぶ拡大しています。

自然農の畑の団粒構造@さとやま農学校・すどう農園
自然農の畑の団粒構造@さとやま農学校・すどう農園

見事な団粒構になった土です。
ミミズなどが土を飲み込み、腸管を通ってまた排出されるときに、粘液で包まれて出てきます。その小さな粒がまた寄り合ってクラスターをつくり、そのクラスター同士がまた高次のクラスターをつくる。これが団粒構造です。
水と空気が土の粒子の間を駆け回り、枯れ葉に含まれるミネラル(金属イオン)が電気的に土の粒子にホールドされるので溶脱もしにくい。土の表面積も広いので微生物が住み着くことで生態系も多様になる。
キャベツの葉を取らずに敷いておくだけで、こうした団粒構造が僅かの間にできてきます。とりわけ今の季節は、雨と太陽がその進行をサポートしてくれます。
実は今も結構な雨が降っていて、とても作業ができる状態ではないのですが、自然農の畑ではこうしている間にも葉っぱの下でミミズやダンゴムシやトビムシが動き回って、静かに土ができているのだと思えば愉しいものです。
ちなみに自然農とは対極にある、トラクターで耕した畑の様子、これはご近所の畑ですが、ご覧のように雨で土がえぐれています。もちろんこんな雨ではトラクターなど翌日になっても入れませんし、土は侵食されるばかり。だからまた化学肥料を投入、という循環になります。せめて緑肥をはやしてすき込めばだいぶ違うのですが、畑を休ませる時間ももったいないということになってしまうのですね。今は年々、雨も激しくなっているのですから、できるだけ雨や紫外線の直撃を受けないような畑が理想です。