![トラクターのベアリング交換。左が古いもの](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=806x10000:format=jpg/path/s5770b48c91d21f32/image/if1fe467e309ae9b9/version/1594696161/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%99%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E4%BA%A4%E6%8F%9B-%E5%B7%A6%E3%81%8C%E5%8F%A4%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%AE.jpg)
こんにちは。神奈川・相模原の自然栽培農家「すどう農園」です。
トラクターの修理の二回目です。前回は錆びたボルトの外し方の基本でした。
今回は、ボルトを外したところから、一部農機具やさんにお願いして古いパーツを取り外してもらいました。今回のメインは、シャフト(回転軸)の軸を受けるベアリングの交換・取り付けです。今回初めてベアリングというものをじっくり見ることができました。美しいですね。ベアリングも色々な種類があって、最新のものは軍事用から転用されて今は自転車などで使われているそうです。一回まわすと数時間回り続けるというほど、恐ろしく摩擦抵抗がないのだそうです。トラクターなどはそこへ行くとかなり昔ながらのベアリングなのではないでしょうか。
ベアリングは回転するロータリーを受ける大事な部分、人間でいえば軟骨のようなものです。潤滑油に当たるグリスの枯渇などで、ベアリングを受ける軸(シャフト)が摩耗してきます。今回もベアリングを外してみると軸が明らかに摩耗しているためにシャフトに負荷がかかった拍子で外れてしまいました。かなり大きなトラブルです。痛かったろうなあ。
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ちょっとわかりづらいですが、軸の左端の中央一帯がつるんとしているのは、摩耗ですり減っているためと思われます。下のようにノギスでシャフトの軸径を計るとベアリングの内径30ミリよりも小さくて28.6ミリでした。1.4ミリの隙間をどう埋めていくか、ということが課題です。小さなシャフトなら細い部分に溶接で肉に厚みをつけて(肉盛り)して、そこをもう一度旋盤できれいに削って調整できるのですが、こんなに大きなシャフトでは無理です。今一度、廣田さんにじっくり策を練っていただくということで、今回は廣田さんの工房に運んでいただきました。廣田さんもお忙しいので、8月に入ったらベアリングの取り付けをします。
トラクターなどの農機具は非常に過酷な現場で働いていて,しかも自動車のような車検もないので壊れる時にはとんでもない状況でとんでもない壊れ方をすることがあります、というのは言い訳半分ですが・・・しかもこうした古い農家は交換パーツもメーカーにないことが多い。ですので修理もそれに応じて臨機応変なテクニックが必要になるのですね。トラクターも新車で買えば相当な価格です。俗に1馬力10万円などと言われますが、そうなるとうちの小さな15馬力のトラクターでも150万円になります。とてもモトが採れる代物ではありません。農家の機械貧乏って、本当に多いんです。