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5分動画・バンカープランツに想う多様性と安定性

グロテスクな様相ですが、ナナホシテントウの幼虫です。あんなに可愛い親よりも大きくて大食漢です。野菜の害虫になるアブラムシを食べてくれます。そのテントウムシが元気でいて欲しいので、このオオムギを植えました。というのも、大麦にはムギクビレアブラムシというアブラムシの一種が寄ってきます。これはほかの野菜には寄りません。そして、このムギクビレアブラムシもテントウムシやあるいはアブラバチの餌になります。アブラバチというのは寄生バチの一種で、これまた野菜の害虫になるアブラムシ全般を退治してくれるものです。そういう、いわば人間にとっての益虫が食うに困らないように、こうして大麦を植えて餌場を作っているわけです。これをバンカープランツと言います。さて、こうしたバンカープランツは、細菌のレベルでも活用されます。この動画の後半に出てくるうどん粉病を食べるアンペロマイセスという菌がいて、そのアンペロマイセスを養う雑草がバンカープランツとなるのです。詳しくは動画をご覧ください。
 このように色々な利害関係者がいることで、自然界での一人勝ちというのは起こりにくくなります。生態系のシステムが安定するわけです。いま私たちが直面しているコロナウィルスとて、本来はどこか自然界の一部で淡々と存在していたのではないでしょうか。それが何かのきっかけで多様性のシステムが損なわれて、バランスを失っていま大騒ぎしているように思えます。そうなると、そもそも人類対ウィルスというような一対一で決着がつく話かどうか。考える事、しばし。