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麹づくり(農学校@国分寺カフェスロー)

毎月第二木曜日の夜は「さとやま農学校@国分寺カフェスロー」です。

都会に暮らす中に、農的な時間を少しでもとっていただきたいと思っての、今年からの新しい企画です。
自分自身が東京の生まれで、20代の後半まで都会で働いてきた、その頃の農的生活への想いや、試行錯誤してきたことを、今回の講座で反芻しながら続けています。

農業のスタイルは農家の数だけあります。
「すどう農園」の場合は都会に隣接した相模湖という場所柄もあって、都会の人たちにどれだけ農的生活の楽しさを伝えていけるか、それが大きなテーマです。


そして、都会暮らしの方であれば、仕事として農業をするのでなくとも、農的生活のエッセンスを暮らしの中に入れていくことはできます。もうちょっと言えば「農的生活」と「農業」とは、言葉は似ているけれども互いに独立した事象です。

 

いま講座は二つの柱を平行して進めています。
1つは野菜づくり。そしてもうひとつは「醗酵」です。


味噌も醤油も酒も、醗酵の産物です。
その多くは微生物の出す酵素によるものです。ただし、微生物の関わらない醗酵もあって、そうした醗酵も講座の中でやっています。
醗酵は、大都会の一人暮らしでもできる「農的生活」の要と言えます。
誰もいない部屋に帰ってきたときにフツフツと何かが息づいている、それも醗酵です。
 

今回の講座では「麹づくり」のデモンストレーションをしました。
何しろ40時間以上もかかる作業ですので、初めの準備の仕方や、麹の種付けまで。

本やインターネットの情報だけでは、リアルな感じが分からないので、どうしても市販の麹を買って済ませてしまうのですが、一度は麹づくりをやってほしいところです。
そして、麹づくりにかかるのは、今どきがお勧めです。
一般的には真冬の作業と思われがちですが、あれはつまり農家が冬に時間がとれるというのが一番大きな理由ではないでしょうか。じっさいには、真冬にコタツや電気カーペットで保温したり、寒い真夜中に起きて麹の様子を見るというのはエネルギーも体力もかかります。
今の時期、つまり梅雨時は、放っておけばいろいろなものがカビ出す季節ですね。
そして麹もまたカビの仲間です。
ですから、雑菌の繁殖に気をつけて消毒などをきっちりしながら進めていけば、むしろ麹づくりには適した季節と言えます。

道具は、できる限りお金と場所のかからない方法にしています。
場所に恵まれた農家のやり方でなく、都会流のやり方をアレンジしていくことが大事。
仕込んでまだ間もないですが、麹が少しづつ、白く見えてきています。
生活の中でカビをはやさないようにする時期に、一生懸命カビを見守るというのが何だかおかしいですね。
さて今日は一日雨のようですが、これから桑の実の収穫、ウメの様子を見回って、種もまた蒔いて、帰ってきたらまた麹の様子を眺めます。
生活のリズムの中に醗酵があるというのは、なかなか良いものです。

この「麹づくり」は、6月30日(日)の「いのちの感謝祭」でもやります。
そろそろ満員になりそうですが、まだ残席があるそうです。

「すどう農園」では、ほかにも農的生活をご紹介する講座を進めています。
明日は農園で「講座・森のガーデン」があります。
お天気も明日は、晴れそうでなによりです。
こちらは随時募集をしています。
一日体験やカップル割引もあります。