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在来種・固定種のカボチャの種取り

固定種の野菜・カボチャの種取り。農業体験の「さとやま農学校・種取り隊」の皆さんと自然栽培のカボチャの種を取っています。
固定種のカボチャ「すくな」の種取りをもう何年も続けています。さとやま農学校の「種取り隊」の皆さんからつなげているものです。

こんにちは。

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農的暮らしの講座を開催している「すどう農園」です。

在来カボチャの種を採りました。

桃の花が咲く今は、カボチャの蒔きどきでもあります。

カボチャは、親株が枯れ尽きる際まで収穫せずに育てました。そして収穫したカボチャからすぐに種を取りだすのでもなく、今まで玄関の隅で実のまま眠っていました。

カボチャを切るのは難儀ですね。奥津典子さんの新刊「奥津典子の台所の学校」には「カボチャを〆る」という項目があって、じっくり参考させていただきました。なるほど、硬いカボチャに吸われるように刃が入っていきながらふっと息を吐く瞬間があり、それから竹を割るようにカボチャが割れました。斧で薪を割るのも、クサビで自然石を割るのにも似た感覚。あるいは人間のツボに指圧をする感覚。流れというか、目があって、それを感じて力を入れるとおのずから相手は応えてくれるようです。

カボチャの割れた瞬間、出た、と思わず声をあげたのは、むっちりと命の充満した種が詰まっていたからです。春を迎えて満を持した気配。「食べることはイノチのやり取り」といつも思っているのですが、今回はイノチを取りあげる感じです。そうしてしかも、割ったカボチャから立ち昇る香りの香ぐわしいこと。これはもう薄めの塩だけで淡く炊いて頂くのが一番でしょう。

去年の桃を眺めてまいたカボチャが、いま一年を巡って食卓にあります。

宮沢賢治の「永訣の朝」のような空の鉛色。

これが上がったら種まきです。

二月は逃げる,三月は去る。と言いますが、さてこの三月はどうにも慌ただしく心の置き場に困る、長いと言えば長いけれどもどこか空々しくて、なにか苦いものを噛んでしまって、それがいつまでも口に残るような日々です。心身を開くはずの季節なのに、うまく双葉が開かないような閉塞感、この寒さが行けばだんだんと気温も上がるのでしょうが、強まる初夏の気配に心身がついていけない人も多いことかと思います。ことさらに頑張るのでなく、季節の巡りに沿って、いま生きているものを取り入れることが大事と思います。
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