落ち葉かきとミネラル

落ち葉かきの季節です。

毎年恒例の場所ですが、舗装道路と落ち葉の間に、たった一年で薄い腐葉土の層ができています。これは春先の苗土にうってつけの天然資材です。
落ち葉は、貴重なミネラル(カルシウムやマグネシウム、その他の微量要素)の源でもあります。かつてはこうした落ち葉が川に流されて行くうちに分解されて海にたどり着いて、プランクトンや魚介を養いました。かつてはウナギなどの回遊魚が川に戻ってきて、産卵を経ると死んで朽ちて、有機質となっていったわけです。いまの相模川はダムができたために、そうした循環は途切れてしまったのですが、せめて里山で暮らす身としては、落ち葉を集めてはこうして畑に役立てていきたいものです。すどう農園では、こうした落ち葉を畑に敷き詰めて、森に近い状態を作っています。土と生物が自分で世界を作りそこに野菜の根が共生し、お互いが健全に育つ。そのためのちょっとした手助けです。

落ち葉は、ダンゴムシなどの小さな虫や菌類によって分解されていきます。真冬でも落ち葉が積もった下は雪や霜に直接冷やされることがない、厚い布団のような温もりと、木枯らしの来ない湿り気があって生き物にとって快適な場所と言えます。こうした様子を見ているだけでも時間が経っていくので、私の作業は遅いのです。

少しづつ分解されて腐植となった落ち葉は、やがて土の中でリン酸と結びつきます、火山灰のアルミニウムイオンにロックされて植物が吸収できない状態になっていたリン酸も、こうした落ち葉の腐植によってロックが解除されて植物にも吸収できるようになるのです。

自然界では、ひとつの存在がいろいろな役割と意味を持ちます。落ち葉もそうです。まして意味のないものなどないわけです。冬は野菜の世話が少なくなる分、じっくりと身の回りを観察して、考える時間を与えてくれます。

さとやま農学校の説明会も、1月と2月の寒い季節ですが、逆に色々なことを観察し、想像できる機会でもあります。

https://www.sudofarm.net/satoyama-organic/

例年のことですが、説明会では単に農学校のシステムの説明だけでなく、里山のことや、色々と話をしたいと思っています。
農園の見学は日頃受け入れる余裕がないのですが、この説明会でせめてそれに近い話ができればいいと思っています。

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