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固定種・モチトウモロコシの梅雨

固定種トウモロコシの作り方を自然栽培で学ぶ。
固定種トウモロコシの無農薬栽培を「さとやま農学校」で学べます。

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農的暮らしの講座を開催している「すどう農園」です。
 

長い梅雨の中で「首都圏の野菜作り教室・さとやま農学校」のトウモロコシが赤い穂を伸ばし始めました。これは固定種のもちトウモロコシです。トウモロコシは南米原産の植物。そして世界四大主食の一つでもあります(あとの3つは何か分かりますか?)。主食になるトウモロコシはいま日本で食べているスイートコーンや、さらにその改良型「スーパースイートコーン」のような甘味重視のものではありません。かつての日本でも焼いて醤油をかけて食べていたトウモロコシが近いですね、粉に挽いてトルティーヤにしますが、これをスイートコーンで作ったらお菓子になってしまいます。

トウモロコシはサトウキビなどと同じく太陽の光が強いときや乾燥気味の気候で真価を発揮する「C4植物」の仲間ですが、この雨ではなかなか実力発揮の場がありません。そこで、それを補う形で施肥をします。この辺りの施肥の仕方はタイミングがあります。そして土寄せも大事なのですが、この雨が続くと土も重たいです。なかなか土寄せも大変ですし、粘った泥みたいな土を寄せるのは、空気を含まないために新しい根も出にくいですから、そんなときには刈り草などの有機質を混ぜて空気の通りやすい土にしてあげます。

トウモロコシの花粉は、ときに数百mから、ときには数キロ飛ぶそうです。そのために交雑が起きやすい。固定種の種取りも間近に別種のトウモロコシがないことを確認して育てる必要があります。その意味では都会の高層ビルのベランダなど却ってよいのかもしれません。そういう場所でトウモロコシの種取りしている方はおいででしょうか?
そしてトウモロコシにはキセニアという現象があって、花粉の形質がそのまま実ったトウモロコシに発現します。ふつうの場合なら、実った種を翌年に蒔いて出てきた次世代に始めて花粉の形質が出るものなのですが、このキセニア現象はトウモロコシの特徴的なところです。
 

もちトウモロコシの利点は、スイートコーンよりも収穫期に幅があることです。前者はベストの収穫タイミングが非常に短いものですから、自家菜園の場合には油断するとタイミングを逃しやすい。
ただしスイートコーンを普通のトウモロコシと思って食べている人には、このトウモロコシは「???」という反応もあります。これは好みの問題ですから何とも言えませんが、甘いばかりがトウモロコシではない、ということを知っていただきたいと思います。今の糖度の競い合いは、なんだか変ですね。トウモロコシなどは甘味の成分として甘味を強く感じる「果糖」を多く含むように品種改良されたスーパースイートコーンが主流になりました。まだまだエスカレートしそうですが、個人的には甘いばかりのトウモロコシは喉が渇くばかりでそれほど好きではありません。皆さんはいかがですか? 
 

週末から8月に入ります。タマネギ、ブロッコリー、レタス、キャベツ、あれこれと仕込みが目白押しです。コロナにおびえている暇なんかありません。「さとやま農学校2020秋のショートコース」のお申込みいただいた方には、今の気候変動を想定しながらの種の選び方などから動画で始めていきます。お楽しみに。