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放線菌は竹林の恵み

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農業体験の講座を開催している「すどう農園」です。


冬の時期の畑はのんびりしたものですが、いわゆる「里山しごと」は、雪が降らなければいくらでもあります。落ち葉を集めて、薪を集めて、伸びた枝を剪定して、温床づくり、その他の修繕・・・。会社勤めのように仕事と生活、オンとオフが線引きできるものではないので「暮らし」とまとめています。個人の農家だからできるスタイルですね。これが農漁法人になってしまうと、時間で区切る、明らかに仕事と言えないものはしない等の線引きが必要になります。どっちが良いかと比べるものでなくて、これはライフスタイルにかかわることなので人それぞれです。
 

昨日(1月10日)は、伸びてきた篠竹の伐採。地下からぐんぐんと根を伸ばすので際限がないようですが、根気よく真冬に地上部を刈り、その地上部には落葉を残さないようにして土を痩せた状態にして文字通り「根負け」させる。うちは除草剤は一切使いませんから、あとはヤギを飼うくらいしかありませんね。

放線菌を集めてぼかしづくり
こんな風に立木と篠竹が混在するので一気に刈りはらうのが難しい。枝も切りつつ、竹も切る。だんだんと明るく拓いていきます。これを数年根気よく繰り返す。

放線菌は農業にも医学医的にも重要な醗酵菌

鬱蒼とした篠竹は、イノシシなどの獣の通り道にもなりますので、なおさら困る。少しづつ、刈り払い機で片付けていきます。立木も、伸びた枝はそのたびに伐っていきます。伐った枝もそのままにせずにまとめて薪にするためにトラックに載せます。なんだかんだの手間仕事です。すると、地表に白いはんぺんのような塊があります。これが放線菌。私たち農家にとっては有用な醗酵菌のメンバーでもあります。放線菌とは何か?耳慣れない人も多いでしょうが、ストレプトマイシンなどの抗生物質の多くは、この放線菌が作ってくれるものだそうです。ですから放線菌は、医学的にも重要な微生物なのですね。

ちなみに「さとやま農学校」でお手合わせする醗酵菌は4種類。麹菌、酵母菌、乳酸菌、納豆菌です。すべて自然界にいるものだけで、市販の微生物資材は一切使いません。なぜなら、どんな微生物かを企業秘密で教えてもらえないブラックボックスですから、買ってしまったら自給という意味が損なわれてしまいます。微生物の自給という意味では、この放線菌も5番目に入れていいメンバーですね。
 

抗生物質を作り出すという意味では、他の菌を殺す力もあるということですからリスクもありますが、この放線菌を使ってぼかしを作る人もいます。むしろ雑菌を防いでくれるという感じでしょう。杉の弁当箱に放線菌のコロニー(はんぺんと俗に呼びます)とご飯を入れて培養させるというのは、80年代に韓国自然農法中央会のチョウさんが提唱されてから爆発的に日本で広まりました。土着菌、という概念も今では一般的になりましたが、まだ80年代は動物性の堆厩肥をベースに微生物を増やして土づくりというのが有機農業の主流でしたから、動物がいなくても自然界の菌を使えばいいのだというところが非常に大きなインパクトがあったのを覚えています。

放線菌のコロニー
竹藪を開いてくると出てくる放線菌のコロニー。糸状菌(カビ)よりも毛足が短い。
放線菌を竹藪に探す
放線菌のコロニー。両手を広げたくらいの大きさで点在します。すどう農園
放線菌で堆肥づくり
放線菌のコロニーを裏返したところ。すどう農園

中央に白いコロニーが見えますね。放線菌は酸素が好きなので落葉のすぐ下の通気性の良い地表にいます。なんだかこれはこれで可愛いものですよ。キノコみたいに食べられるわけではないのですがリアルな生命感があります。ただしこのコロニーは、地表全体を覆うような爆発的な広がりをするわけでもありません。だいたいこんな感じの大きさで放線菌のコロニーが点在します。
 

七草も明けて日も伸びてきました。「首都圏から日帰り農業体験・さとやま農学校2020コース」も、だいぶお申し込みが増えてきたところで明日12日は「梅の自然栽培の剪定講座」をやります。新しい人にとっては本講座の前のプレ講座、卒業生の皆さんにとってはオフ講座です。畑では土を眺めることが多いですが、剪定は空を見上げるのが気持ち良いです。そして「さとやま農学校の現地説明会」も、まだ受け付けています。定員枠がありますので、お申し込みはどうぞお早めに。お待ちしています。