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津久井在来大豆で味噌づくりレポート

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農的暮らしの講座を開催している「すどう農園」です。

地元の在来大豆「津久井在来大豆」を使った味噌づくりのワークショップを、今年もしました。「さとやま農学校」の受講生限定の開催です。「すどう農園」では、一日限りのイベントはすべて「さとやま農学校」などの連続講座の受講生の皆様に限定して行っています。終了した年次を越えて集まるので、初顔合わせも多いのですが、すどう農園のつながりがあるので打ち解けやすいものです。

うららかな一日。

大豆だけはこちらで焚いたけれど、麹と塩は皆さん各自のお好みブランドを持ち寄りです。

あらかじめ決まったレシピもありません。塩の分量や麹の割合も自分で考えて決めていただいたから、つまり「手前みそ」ですね。

味噌づくりは子どもでもできるから、みんなで手を合わせるのが楽しい。こんな風に昔から、味噌や漬物や醤油や、あれこれを一緒に創ってきたのでしょう。それは家族だったり地域だったりと、日頃うっとうしい人間関係も含めての拠り所だった。逆に、拠り所がない人間は些細なきっかけでいびつに動くものです。日頃から、なにか一緒に手を動かして作るような関係が身の回りにすこしでもあれば、と思います。それが「さとやま農学校」を始めたきっかけの一つでもあるのです。

お互いに持ち寄った塩や麹(自家製の麹を持ってきた人もいました)の味を比べたりします。味噌づくりのイベントではたいてい、初めからレシピも素材も決まっていますから、こんな風な麹や塩の味比べなどはありません。自分で塩の分量を決めたりするのはちょっとレベルが高くて、まったくの初心者の方には不向きですが、「さとやま農学校」では自分で考えてスタイルをつくることを重視していますから、そこのところは受講生の皆さんにとっては、逆にやりがいがあったはずです。

無農薬自然栽培の津久井在来大豆で味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆で味噌づくり・まず炊き始め

実際の味噌づくりで一番手間がかかるのが、この大豆を炊く作業です。理想的には煮るのでなくて蒸すほうが旨味が煮汁に逃げないでよいのですが、蒸し器がないので、大きな釜で焚きました。乾燥大豆10キロを4回に分けて、一回あたり2時間以上かかるので、二日間に分けての仕込みです。それでも薪の力は凄いですね。これをガスでやったら大変な時間がかかります。

無農薬自然栽培の津久井在来大豆で味噌づくり。だいぶ大豆が茹で上がってきました。
無農薬自然栽培の津久井在来大豆で味噌づくり。だいぶ大豆が茹で上がってきました。
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
無農薬自然栽培の津久井在来大豆の味噌づくり
大豆は中国とロシアの国境に近い東北部が故郷と言われています。遙か昔に麹が大豆と出会う。鼓、醤、味噌、醤油と転々流生しながら極東に根を生やしたドラマは複雑に絡み合っていますが、それでもどのような「炭水化物」と「タンパク質」が「どのような酵素」で醗酵したか、その酵素の由来を人はどこに求めたか、風土がどう活かされたか、というコードに落とし込んでいくと意外にすっきり見えてきます。中国古代の料理書で、一読すると難解な「斎民要術」も、そうやって行間を読みとくと夜長が愉しいものです。食の醗酵が土の醗酵、野菜づくりにもつながってくる様子を、昨年に続いて今年も国分寺のカフェスローにて、スローツアーさんの主催で開催します。詳しくはこちらをご覧の上、お申込みください。