こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら、都会の皆さんに農的暮らしの楽しさと、里山の多様性を講座でお伝えしている「すどう農園」です。
11月に入って、今日も嬉しい畑びよりです。日中は暑いくらいで、動きやすいこと。10月に降り続いた雨よ、ざあっと空に戻っていってください。まだまだ畑は湿っぽい。明日から、稲刈りのラストスパートも各地で行われます。ぬかるんだ土が少しでも動きやすい地面になりますよう。
今年から東京の二か所で毎月出張形式での講座を続けています。一つは「さとやま農学校@国分寺カフェスロー」です。もうひとつか「世田谷ものづくり学校」での「いのちの感謝祭」。どちらも、都会の皆さんが少しづつ農的暮らしの時間を増やせるような野菜のプランター栽培や醗酵食の基本などのワークショップです。そこでは、ベランダでのプランター栽培も主要テーマです。
津久井在来大豆のプランター栽培
大豆のプランター栽培の方法について多くの問い合わせをいただきます。大豆は根の中に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するので基本的に無肥料でプランター栽培できます。それでもプランター栽培には、ある程度の大きさ(土の容量)があるほうが理想ですが、もう一つ大豆のプランター栽培で重要なのは土寄せです。露地で大豆を栽培する場合には、成長するにしたがって2回もしくは3回と、株元に土を寄せていきながら根の張りをしっかりさせて実入りを確実にします。大豆の栽培で土寄せが不足すると、枝葉ばかりが勢いよく茂って、花が咲いても実がつかないことになります。それでは大豆のプランター栽培では、土寄せをどうすればいいのでしょうか?何しろプランターは狭いものが多いので、土寄せをする余裕がありません。
そこで今回は、写真のように土嚢で大豆を栽培してみました。プランター栽培ならぬ土嚢栽培です。何しろ土嚢は安いですから、その点でも非常に気軽にできますね。しいて言えば、土をたっぷり使う分、形が崩れないようバランスをとりながら気をつけて土を詰めていくことです。はじめに土を入れるのは地表から30センチもあれば十分でしょう。ぐんぐん伸びてきて、本場が出てところで最初の土寄せとして新しい土を双葉のギリギリくらいまで入れます。これで土の深さが5センチくらい深くなりますね。そのぶん、土嚢の縁を(それまでたくし込んでいたものを伸ばして)5センチ分上げます。それからまた二回目の土寄せ、3回目と同じように繰り返して、最後に土の高さが地表から40センチ以上になるくらい。これでかなり根が張ります。花の咲いたころに水をたっぷり上げるのも露地栽培だと雨頼みですが、これなら水をしっかり潅水できますね。
大豆のプランター栽培の収穫の目安
津久井在来大豆の収穫は、地元津久井では11月の下旬です。枝葉が枯れて落ちて、さやだけが残って茶色く完熟します。外からさやを触ると固い手ざわりでわかります。雨が降った直後は避けて、数日乾燥した秋空が続いたころに収穫するのが良いです。津久井在来大豆は、字際まで豆が実るので大規模栽培でもコンバインが入れにくい。そのため刈り払い機などの手作業に頼らざるを得ないことも、作り手が減って「津久井在来大豆は幻の大豆」と言われるようになった理由のひとつです。津久井在来大豆のプランター栽培での収穫の目安も露地栽培の場合と同じです。二枚目の写真は土嚢一つに一株だけ作りました。一枚目の写真は二株作りました。まあ、これだけ土があれば二株作れますね。土嚢ではいまいち雰囲気が良くない、という方は例えばコーヒーの麻袋などもいいですね。写真は国分寺のカフェスローで紹介されたもの。オーガニックのコーヒーの袋なので、ポストハーベストの心配もなさそうです。ちなみに、輸入作物の多くは収穫後も港湾で燻蒸などの処理(ポストハーベスト)がなされます。なので、バナナの入っていた段ボールなどは決して再利用しません。
「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」でも、大豆を育てています。2020年コースの現地説明会は11月から始まります。「とりあえず、どんなところか見てみたい」という方は、どうぞお越しください。本講座のお申し込みをいただいた方には、講座の始まる前から様々なお楽しみ特典があります。
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