今年初めての「本の話」です。
というか、前回の「本の話・縁食論」から一年近く経ちました。
本の話の過去の分については、こちらのページ「つれづれに本の話」で一覧できます。
前回に引き続き、今回もお相手は竹内さん。私の半分くらいの年齢の若い方です。すっかり親子のようです(笑)。
今回取り上げた「気流の鳴る音」は、昨年夏に他界された真木悠介さんの不朽の一冊です。本名は見田宗介さん。東大で社会学を教えていたころの門下生には、都立大教授の宮台真司さんや京大教授の大沢さんなどがおられます。
この70年代に書かれた本を、自分と倍ほども年齢の離れた若い人が取り上げてくれるとは!驚きつつ嬉しかった。
若い人が本を読まなくなった、という言い草は、僕らの学生時代にも同様に酷評されていたわけだから、今様を嘆く資格はありません。
ただそれでも、かつて紙面を繰った乏しい読書体験のうちから、伝えられるべきは一言半句でも伝えてそうして、なにかしら共鳴してもらえたらと思います。
これからの世界を創っていくのは、ほかならぬ若い彼らです。
船を降りかけた水夫として、海の怖さも素晴らしさも、それぞれの仕方・口調で伝えていくことかと思いながら、同年輩の諸兄姉のご講評を願う次第。