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日本ホウレンソウの芽出し

こんにちは。

「自給のための無農薬の野菜づくり教室・さとやま農学校」では、秋冬に向けての種まきや苗作りが進んでいます。

 

年々、秋というには暑すぎる夏の名残が長引いて、その中に台風が直撃してくるというパターンが常態化してきていますから、それが基本形だと思って作業を組み立てる必要があります。害虫の様子も、例えばダイコンを食害するサルハムシのような連中が、冬間近になっても畑に居残るようにもなりました。そんな傾向に対策を立てながら自給の野菜づくりを学んでいます。


写真は日本ホウレンソウという固定種です。ホウレンソウは中央アジアの原産で、西に行ったものが西洋ホウレンソウになり、東に向かったものがアジア系のホウレンソウになりました。今市販されているホウレンソウの殆どは西洋種です。西洋種とアジア種では、そもそもタネの形がまったく違います。アジア種は写真のように手裏剣みたいな形です。トゲトゲしていて触ると痛い。いっぽうの西洋品種は丸い種なので、種まきもしやすい。私たち農家は手押しの種まき機をよく使うのですが、そのときにも種を蒔くベルトの穴に収まるのです。

在来野菜・日本ホウレンソウの種まきを学ぶ@さとやま農学校・すどう農園
在来野菜・日本ホウレンソウの種まきを学ぶ@さとやま農学校・すどう農園

浸水させたホウレンソウの種を芽出しをしました(厳密には発根ですね)。ここまで数日かかります。
ここから土に蒔いていく作業です。非常に手間をかけますから生産農家がここまでやったらコストがあわないのでやりませんが、夏の暑い時期に、それほど耐暑性もない在来のホウレンソウを確実に育てるには、これくらいの手間があったほうがいいでしょう。暑いさなかにいきなりホウレンソウの種を畑に蒔いても、悲惨な結果になることが多いですから。

無農薬の野菜作り教室・さとやま農学校@すどう農園
無農薬の野菜作り教室・さとやま農学校@すどう農園

ご覧のようにホウレンソウが一斉に発芽してきました。ウサギの耳みたいで可愛いです。
お天気や気温や、あれこれのタイミングを見計らって、この苗を定植しながら引き続き、何度かに分けてホウレンソウの次なる種まきをします。西洋系のホウレンソウの種まきもしますが、こちらは「寒じめ系」の品種を選びました。寒くなると葉にシワが寄って甘くなるタイプです。首都圏の平野部では真冬でも霜のほとんど降りない地域が増えてきているので、むしろ相模湖のように冬がしっかり寒くなる地域の方がホウレンソウは美味い。そして日本の種苗会社の「寒じめ系」のホウレンソウは交配品種ばかりなので輸入の固定種を選びました。いずれにしても、ホウレンソウが本当に美味しくなる旬は、なんといっても霜がおりてきた11月の後半からです。まだ3ヶ月先なので、それまでに順々と育てながら味の違いを感じていきます。