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農機具の解体はジビエみたい

こんにちは。

自然栽培の野菜とハーブを育てながら農的暮らしの楽しさを講座でお伝えしている神奈川の「すどう農園」です。
 

トラクターに続いて農機具の解体と修理に入っています。写真のハンマーナイフという草刈り機は、草を刈りはらうだけでなく細かいチップに粉砕してくれます。草どころか竹でもバリバリと粉砕してくれる頼もしい機械です。トラクターや管理機のように土を耕うんするわけではないのですが、刈った草は細かくされてすぐに土に還ります。だから不耕起栽培にもとても役に立ちます。逆に言えば、これがないと不耕起栽培で買った草や丈が粗大なまま残ってしまうので土に還るにも時間がかかります。そんなこともあり私が「すどう農園」を始めるにあたって真っ先に購入したのはトラクターよりもこちらが先でした。思い出の多い機械です。
 

そんなハンマーナイフも十数年の仕事でだいぶくたびれてきました。壊れやすくもなった。そこで廣田岳さんによる徹底的な解体とオーバーホールです。
 

農機具の解体はヒツジやイノシシの解体にそっくりです。
ナイフで関節を外すように、レンチでネジを外し、血や脂のように錆やオイルが流れてきます。
この機械は、ちょうど身の丈がシカやイノシシに近いけれど、これが小型のトラクターなら牛の解体に見えてくることでしょう。
 
タイヤを外した瞬間は、まるで脚を付け根の関節から外した時の感覚にそっくりで興奮するし、シャシーは背骨やアバラの旨味が乗ったあたり。炙って食いたい。よだれが出る。
しかしジビエの解体と違って、これがまた生き返るのが機械のすごいところです。子供の頃にこんな風景に出会っていたかったものです。

エンジンなどは全く心臓のよう。ホルモン焼ならハツだけれど・・・砂肝に見えなくもないか。古いガソリンを抜いてそれからさらに匂い消しのゴマ油とトウガラシを効かせたタレをつけて、新鮮なところを生で喰う。なんにせよ、とても美味そうだ。

これはロータリーの草刈りの爪を正面から見たところ。シカやイノシシなどは、背骨からリブをペンチで折り取って喰いますね。肉は骨に近いところが一番うまい。あんなふうにひとつづつ外して焚火で食べて、残りはスープでだしを取るか。

背骨もいいぞ。コラーゲンだっけ?軟骨成分がたっぷり。
 
などと妄想はさておき。

すっかり梅雨はどこかへ消えたけれど、たいへんな量の雨が膨大な草を育ててくれたものだから、これからハンマーナイフの出番です。