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九条株ネギの冬越し

九条株ネギ(固定種)の自然栽培を農業体験
九条株ネギ(固定種)は冬を越すハウスのなかでも分けつしてきます。すどう農園

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農的暮らしの講座を開催している「すどう農園」です

野菜は、固定種の種とりでつなげていくばかりでなく、苗や芋などのように、種でない「栄養系」の形でつないでいく場合もあります。この場合には固定種でなくともつなげていくことが可能です。例えばいま農園には「宝交早生」というイチゴがあって、これは交配種ですが(いま固定種・在来種のイチゴを求めるならば、外国産の品種になります。フレーズ・ボアのような小さめで酸味の強いものがほとんどで、日本のイチゴのような大きくて甘いものは交配品種です)、ランナーから株を採ってつなげる方式になります。ちなみに、こうして採った栄養系の苗を許可なく販売することは禁止されています(今年の種苗法の改定以前から)。
 

今年は暖冬のせいもあってか、無加温のビニールハウスに養生している九条ネギの株が少しづつ分けつしています。九条ネギは京都の在来種ですが、そのなかでも数多くの亜種類ができています。大きく分けて九条細ネギと九条太ネギがあります。細ネギは薬味に使われる有名品種ですね。こちらでは太い九条ネギを育てています。薬味以外の料理にも使えます。株ネギは一度植えればずうっと増えていくので種を採る必要がありません。増えたら少し食べ、また増えたら食べて、という繰り返しで何十年も続きます。ご近所ではおばあちゃんが「嫁入りのときに実家から持ってきた」という株ネギがあります。この辺りではどこの家でも株ネギを作っていたようで、地域ごとに微妙に形質が違う、まさにエアルームだったようですが、今ではだいぶ減ってしまいました。地元の農業試験場にも、片隅で地域の株ネギの系統維持をしていたのですが、需要がないということですべて廃棄されてしまいました。非常に残念なことです。
 

株ネギも「さとやま農学校2020コース」のとても大事なメンバーです。長ネギと違って土寄せもほとんどせず、乾燥防止に株もとに草を敷くくらいです。病気にも強い。皆さんもどうぞ一緒に育ててみましょう。わずかながら参加枠が残っています。