踏み込み温床の作り方と春まきのブロッコリー自然栽培
こんにちは。
神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農業体験の講座を開催している「すどう農園」です。
先日のブログで紹介した踏み込み温床の様子です。昨日22日の段階で数センチ差し込んだ温度計が60度あります。ちょっと高めなので、土を敷くなどして温度を調整して、そろそろブロッコリーの種まきを始めます。ブロッコリーの栽培は、本来は7月過ぎから蒔き始めて育苗し、冬に向けて収穫していくものですが、春まきでもつくれます。ただし品種を選ばないといけません。この辺りはアブラナ科一般に通じています。特に春先は温度の変化も大きいので、伸びかけた株が寒の戻りに遭ってしまうと小さいうちに花が咲いて終わる、というようなことがダイコンなどではよくあります。
もちろん遅霜も怖いですね。俗に「八十八夜の別れ霜」「九十九夜の涙霜」というように、立春から数えての遅霜は茶摘みの一番茶だけでなく、春先の野菜を一晩でダメにすることもある怖いものです。今年のように緩んだ感じの冬は、植物もどうやら全体的に間延びしているようですから、ここで油断すると寒さにやられます。なんとなく、そんな気配が今年は漂っています。そこでまずは足元を暖かくしてがっちりした苗をゆっくり育てる、というのが今回の踏み込み温床の目的です。急ぎません。
そんなわけで、温度の変化に強い品種を選ぶことが大事です。ところがブロッコリーについては固定種がほとんどない、というかなり極限の状況になっています。日本の種苗メーカーのブロッコリはほぼ100%が交配種で、それら日本の数品種が世界のブロッコリー市場の半分以上を寡占している状態でもあります。
伝統的な固定種では海外の「ドシコ」もあるのですが、これは過去に何度か春にまいてみたものの、あまり成績がよくありません。そこで今回は、大玉の頂果を取るタイプでなく枝ブロッコリーを選びました。イタリアのエアルーム品種Ciccoです。エアルームとは「家宝」とでもいうような意味で、代々作り継がれてきたという意味では日本の在来種と通じています。なおかつオーガニック認証を取った種子ですが、海外では種苗もオーガニック認証の対象になります。逆に農薬を使って育てられた苗を使うとオーガニックの認証は取れません。日本の有機JASはそこまでやると、ただでさえ少ない有機JAS認証の農家がいなくなってしまうので、種苗については認証の対象の外です。★★この苗も「首都圏から日帰りの農業体験・さとやま農学校」で育てていきます。そろそろ種の準備、あれこれ始めています。
コメントをお書きください