こんにちは。
神奈川・相模原の里山(相模湖)でアグロフォレストリーを営む「すどう農園」です。
秋空を仰いで苗木の植えつけです。
ザクロやナツメのような人が食べるものばかりでなく、ツルモドキのような鳥や獣も食べる実のなる木、ニッケイやクロモジのように香りの良い木、クルミやヤナギ、シナノキ、ウリハダカエデ、朴の木、ヤマザクラ、ヤマブドウ、キハダなどは葉や樹皮やツルが手仕事の素材になります。カツラの木は、神様が天上界からの登り降りに使うから、北欧神話の宇宙樹(ユグドシル)みたい。あれこれ買い込んだ子どもたちを夏の間ナースリーに養生して数十種類を越えました。子どもを見守るように、愛おしく数本づつ植えています。
はじめに植え穴の底に炭を入れて場所の電位を整えます。次に植え穴に水を入れたら抜けないように土を右に回して締める。根の活着が大事です。植えた後に竹のチップを敷く。有機物マルチにはミミズも来るので、そのままだとイノシシが掘り返すから無骨だけれどガードをする。一本植えるにもなかなかの作業ですが、体力と時間の許す限り、永遠にやっていたい。それほど昔から好きなんです。宮古島に住んでいた頃は、島のどこに何が生えているかだいたい熟知していたので、種や実生を集めては苗床にまいて、ひたすら植えまくっていました。それも、昼は暑いから月夜に作業をするのです。ハブのいない島だからできたことです。
木は植えるだけでなくて、折々に整えます。十年以上前に植えた桃の木も、すでに更新の時期が来たようなので切り戻します。伐った枝で直径5mくらいの「鳥の巣」を編んでおけば、そこにまたいろいろな生き物が転生してくるでしょう。
植えた木の育つ様々を、自身がどこまで見届けるかはわかりませんが、植えている現在に満足です。あとは手仕事でもなんでも、いずれ誰かが楽しんでくれたらいい。私はこれまで里山から、本当にたくさんのいただきものをしてきました。感謝感謝と言いながら貰ってばかりだったので、そろそろ次の時代に先送りする番です。
すでに苗木のいくつかは葉を落とし、冬に備えて芽をつけています。来年そのまた来年と苗木を見守りながら日々を過ごします。
そして野菜づくりの準備も、春に向けて仕込みをしています。来年の「さとやま農学校2023コース」の説明会も始まります。少しづつ、自分で野菜を作れるように一歩を踏み出しませんか。下のページをご覧の上でお申し込みください。