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台風とイノシシ

こんにちは。

神奈川・相模原の里山(相模湖)で自然農を営む「すどう農園」です。

このところ続いた台風と豪雨で東北地方は大変な被害ですね。私がお世話になっている山形のお米農家さんからも悲惨な状況がインターネットにアップされています。なんとか無事に実りの秋が迎えられますよう。心から祈ります。

大雨が来れば動物が出てきます。
写真はイノシシが荒した道路脇の斜面。雨で崩れたわけではありません。斜面を守るように根を貼っていた宿根草を食べに来たのです。イノシシは、ときに100キロにもなる巨体を維持するためにカロリーを必要とします。すなわち、こうした根のものを掘り起こして食べたがります。ギシギシの根などもよく食べられています。


どうやら満月の頃は、イノシシなどの獣は勢いを増すように思えます。狼男が満月の夜に出るのは、あながち架空のことではないのでしょう。狼に象徴される陽性の強いものが「満月」つまり引力が強くて世界が膨らんで陰性になったときに発現する、ということでしょうか。同じように、月の力が強い新月のときに伐った樹が品質の良い材木になるというのも、陰陽五行の観点で解釈できるのではと、いつも思っています。これは説明が必要ですが、陰性の極まった新月の杉を伐って乾燥させることで陰性が反転して陽性(硬く)なる。梅やシイタケなど陰性のものを収穫して天日に干すことで陽性の強い梅干しや干し椎茸などになるのに通じた原理でしょうか。

それにしても凄い力です。
脚はあまり使わずに、ほとんど鼻で掘るのだそうです。直しても直しても繰り返し掘りに来る。
高齢化した農村は、だんだんと根負けしていくのです。

こうして果樹の根本を掘るのは、味方を変えれば地表をびっしり覆った宿根草の根を食べてながら土に空気を入れているのだという解釈もあります。そうかも知れません。どの味方が正しいかどうかでなく、目の前の現象をどう解釈するか、が大事なのですね。現象を読み込めば、単に「暴れるイノシシを絶滅させろ」という単純な話にはならないことでしょう。

これは「さとやま農学校」の畑の電気柵です。久しぶりに攻撃をされたので酷暑のさなかでしたが、ネットを修復して電気柵をつけました。雑草が触れると電気が効かなくなるので草取りは必須です。そういう管理が大変なのです。