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在来下馬キュウリの種取りへ

自然栽培のキュウリの育て方を学ぶ@さとやま農学校
自然栽培のキュウリの育て方を学ぶ@さとやま農学校

こんにちは。

各地で豪雨の被害が伝えられる梅雨の後半、皆様ご大過なくお過ごしでしょうか。

自給のための無農薬の野菜づくり教室・さとやま農学校」のキュウリは、当初3段階を考えました。
はじめに6月ころに食べる在来種の「下馬キュウリ」そして10年ほど種取りを続けている「四葉(すーよう)キュウリ」それから昨年種を取った「地這いキュウリ」という面々です。

「キュウリは6月の水を下ろす」と言われます。
つまり、梅雨の走りで体内に滞った水分をキュウリが排出してくれるというものです。
いつもなら、6月に食べるような早い季節のキュウリは作りません。ところが今年は春が早かったですね。桜の早咲きからその後、樹木たちのシグナルが例年よりずっと早いもので、ついその気になってキュウリの早まきをしたのです。下馬キュウリは初めてのお手合わせだったのですが、元気に育った苗を定植した途端の4月の遅霜!これには参りました。露地に植えたキュウリは全滅です。すっかりお天気に騙されました、今年も。


そのなかでただひと株だけ、双葉の形が悪くて地上部の育ちもよろしくない株があり、それは定植せずにハウスの隅に「補欠選手」として控えておいたのですが、結果としてこの株だけが生き残りました。いまなおハウスの隅で育っていて、そうして初めての実をつけました。下の写真です。

在来野菜「下馬キュウリ」の種取り
在来野菜「下馬キュウリ」の種取り
在来野菜「下馬キュウリ」@さとやま農学校
在来野菜「下馬キュウリ」@さとやま農学校

こちらの地元でも「相模半白(さがみはんじろ)」という、似た形質のキュウリがあります。淡い緑黄色の実が可愛らしい。
「すどう農園」でもかつては育てていたものでしたが、雌花の着花が非常に少ない「飛び成り」のこともあり、とても売るためにつくるキュウリではない品種で、あくまでも自給用です。飛びなりと言うのは、親蔓の節の飛び飛びに雌花が付くものです。今の品種の多くは節成、つまり殆どの節に雌花がついてくるので収量が多い。
まあ、そんな能書きはともかく、ここまで生き延びてきたことに敬意を評して、実は食べずに種を取ろうかと思います。育ちが悪かったことは頭の隅に入れておいて、さて来年はどうなるでしょうか。遅霜を警戒して、来年はハウスで育ててもいいかも知れませんね。最後の写真は冒頭の写真のアップ。こんな小さいうちから、ふっくらと雌しべの基部が膨らんでいます。これはカボチャも同じ。

在来キュウリの種取りを学ぶ@さとやま農学校
在来キュウリの種取りを学ぶ@さとやま農学校