こんにちは。
神奈川で自然農の野菜やハーブを育てている「すどう農園」です。
今年はどんな天候になるのかと毎年毎年、空を見上げて予想をたてて、とにかくシナリオは厳し目に予想を立てるのですが、それでもさらに、その裏をかくような想定外のことが毎年あります。
「昔の暦はまったく使えない」と先輩の農家さんが嘆くように「今度はこう来たか!」と驚かされることの連続です。
だから良くも悪くも、いまどきの農家は経験値が高くなっていることと思います。
もちろん天気の読めないことは自給の野菜作りにも言えることですから、だからこそ、小手先のテクニックでなく自然界の移り変わりを肌身で感じることが原点と思います。これが都会にいるとわかりにくいようです。何しろ去年のあの猛暑すら覚えていない人がいるくらいです、自粛で室内にこもる時間が多かったせいもあるのでしょうが・・・。
上の写真はブラッククミンの花。いわゆるスパイスのクミンとは全く別種のものです。いつも梅雨時に濡れそぼった妖艶な花を咲かせてくれます。睫毛の長い瞳のようではありませんか?
ブラッククミンは、古代エジプトの薬草として「死以外はすべて治す」と言われた程のものだそうですが、身近な人では誰も使った人がいないので薬効のほどは分かりません。それよりなにより、このブラッククミンの美しい花に癒やされます。
自然農の庭の赤紫蘇は、こぼれ種で増える
ブラッククミンの隣では赤しそのこぼれ種が湧き出すように葉を広げています。
赤しそは、下手に種を蒔くよりもこぼれ種を大事に育てるほうが自然に元気よく育ちます。ただし青紫蘇と交雑してしまいますから近接して育てないように。シソ科同士はエゴマとも交雑すると言われています。ミントもシソ科ですが、やはり品種間で交雑しやすいものです。
以上は世田谷ものづくり学校の自然農の畑に育つ面々。
二年目になり、畑の様子も変わってきました。
自然界の土と雨と太陽のオーケストレーションを楽しみながら人も手を添えて一緒に生きる。
これが自然農の醍醐味です。
街で自然農・夏野菜の定植
先月の「街で自然農」で挿し芽をしたジャガイモが、ぐうんと大きく育ちました。
まったくの無肥料栽培、しかも種芋のない挿し芽とは思えないほどの育ち方は、やはり樹の落ち葉が熟成したフカフカの団粒状態の土のおかげでしょう。それに加えて、東京の大地がぐうっと蓄えたエネルギーが、こうして小さな場所でもコンクリートから開放されたことで噴出してくる何かがあるのではないか、そうとも思えるのです。
素晴らしい東京の大地の受胎力!
自然農の果樹(梅・びわ・ジューンベリー)の収穫@世田谷ものづくり学校
後半は、石田紀佳さんによる果樹の収穫や野草ジュースづくりなど。
今年は梅や桜も早かったものですが、その流れで樹木は皆早い。花も果実も早い。しだれ梅の収穫も豊作。
無農薬とは思えないほど実が美しいのは、周辺に梅園がないため害虫が少ないからだろうとのこと。なるほど。でも梅の大敵、カメムシは都内にも沢山いるものですが、それも寄り付かないのが不思議。今の時期に大発生する、あの嫌なドクガの毛虫も見ないし。まだよく分からないことが多いのです。
そうしてビワの収穫、こちらも5月に収穫とは!
たっぷりの甘い果実にその場でかじりつく。そしてビワの種も一粒たりとも捨てない。これがまた、様々な使い方ができることを石田紀佳さんに教わりました。暮らしの知恵が満載の講座です。
ジューンベリーの収穫も大人気。
これはもう皆さん離れないほどで・・・絶句(笑)。