クサギとタバコ

クサギの花
クサギの花

台風が泡立つ9月の空を、眺め眺めて葉巻のまねごと。みなさん真似はしないこと。

 

いま花盛りのクサギの葉で巻きました。

煙は吸いこまない。

口の中でふわふわとマンジェしたら吹きだす。

 

独特の香りと厚い葉を持つクサギは、ハーブの最大派閥・シソ科に所属ながらも、シソ科にはミントやラベンダーという大御所がいるので派閥の領袖にはなれそうにない。でも台風でもなかなか散らない健気な青い実は草木染の貴重な青。

 

そういえばタバコは野菜の最大派閥ナス科のメンバーですね。こちらはトマト&ジャガイモという鉄板の2トップがいるから、やはり永遠の非主流派だ。あとの写真は宮古島のタバコ畑。手前に花が咲いているのが分かりますか?ダチュラを思わせるようなナス科独特の花ですね。草一本の多様性も許されないモノカルチャーの世界。

 

言わずもがなですが、タバコ栽培にはものすごい農薬を使います。島でもタバコ栽培のシーズンになると薬屋の最前列に肝臓系のドリンクがずらっと並ぶ光景でした。これはゾッとした。そもそもタバコは専売制だから自由に栽培することはできないし、さすがにうちの農園には縁がない。

 

それでも夢に見るのはバナナに囲まれた小さな庭の、勝手に芽生えたタバコのくさむら。

さっきまで放し飼いしていたニワトリをトマトと煮込むひととき、自家製の葉巻の太くて長くて逞しいのをご近所さんと咥えてゆらゆらしたい。そうして朝取りした椰子酒の、昼には酸っぱくなったところを茶椀で飲み干してシェスタだ。涼しくなった頃に起きあがったら浜辺の散歩でまた一服。夜は墓場で運動会。帝力我になんぞあらん、の境地。

 

さっそく台風の9月の始まりです。

まだまだ昨年、一昨年の傷も癒えない日本列島のままに、すでに九州は大変な様相のようです。

備えよう。

タバコ畑
タバコ畑