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自給の野菜作りの品種選び

さとやま農学校は初心者のための無農薬栽培の野菜作り教室です。
降り続く雨でも病気なし。元気な無農薬栽培キュウリの収穫@さとやま農学校

こんにちは。

 

神奈川・相模原(相模湖)で自然栽培の野菜やハーブを育てながら農的暮らしの講座を開催している「すどう農園」です。

 

首都圏の野菜作り教室・さとやま農学校」26日の日曜コースは朝方からの雨が、講座のスタートには上がりました。久しぶりの太陽の眩しく暑く嬉しいこと! 
 

元気な四葉(すーよう)キュウリを収穫し、まだ残っていたネット張りなど進めるうちにまた雨が…という流れで、あとはハウスの中でのパプリカの整枝やイチゴの苗の世話をしつつ、ぼかし肥料の作り方・基本を学びなおしました。大事なことは何度も繰り返して学ぶのが通年で通う講座のメリットです。1回目でうまくいかなかったところを2回目で改良する、ということも大事です。1日や2日のセミナーでは、こうした反復の学習はできません。

 

まだ長引きそうな梅雨。かつても梅雨のまま秋雨が始まった年もありました。異常気象ではありますが、猛暑も含めてまったく前例がないわけではない。それなりの経験値をこの十年で蓄えているはずです。新しく農的生活を始める人たちに、その経験が伝わるような継承が必要です。

 

7月の末になると品種選びが始まります。夏の種まきは春とは違った難しさがあります。真夏の猛暑のさなかに種を蒔いて苗を育てて冬に向かって収穫していく、年を越して春先まで収穫が続く作目もあります。品種を選ぶにあたっては、美味しいことは勿論ながら、数か月の間に何十度という温度差のアップダウンを通過していくタフな生き方が要求されるわけです。暑さや日照りに強いこと、春先にすぐに花が咲いたりしないものなどの生理的な形質も大事です。 

 

固定種を育てて種を採っていく意味は、地域の気候風土に合った品種にしていくことが究極の目標ですが、遺伝的な多様性があるので、変動の激しい中で、どれかが生き残れるという戦略も立てやすいわけです。
それとは逆の目線に立って、今どきの品種を選んで作っていくというのが今の農家の一般的な作戦です。10年前の2010年は「あらゆる異常気象が揃った」と言われたほどの大変な年でした。その中で評価された品種もありますし、これ以降の新品種も厳しい気象条件にどれだけ元気に生きていけるかが種苗会社にとって今まで以上の必須の課題となっています。 
 

「首都圏の農業体験・さとやま農学校」は、基本的に固定種を育てて種を採るところまで学びます、その種をまた翌年も使う進め方です。今年から、比較の意味で交配種も折々に加えて育てていくようにしました。コロナの影響だけでなく、移住や農的暮らしを念頭に置いた方の参加が増えてきたこともあり、選択肢は広い方が良かろうと思ってのことです。例えばブロッコリなどは固定種となると「ドシコ」のような限られたものしかありませんから、いきおい交配品種も経験しておいた方が良いと思うのです。味も振る舞いもかなり違います。どちらが良いということは頭っから決めつけないほうがいいでしょう。先入観なく野菜と向き合っていくことが大事です。
 

さとやま農学校・秋のショートコース」も募集が始まっています。開講は9月ですが、先駆けて8月から種のことなど動画で配信をします。定員が少ないのでお早めにお申し込みください。