固定種の種まきについて

2020年、コロナウィルスの影響を受けて「すどう農園」の各種講座もオンラインや少数での自主活動などの形で変則的にスタートしました。これまで自家採種してきた固定種の種もご希望の方にお配りしてご自分のプランターや菜園で作っていただいています。フォローする中で基本的な事項を下にまとめました。
毎年種を蒔いていくとなると、最高気温と最低気温が分かる温度計を用意するといいでしょう。ポイントは日中の最高気温よりも夜間の最低気温です。最低気温がどこまで上がってくるかで、発芽の様子が影響されます。予算のある方は「温度取り君」などの温度ロガーもあって、スマホに知らせてくれたりするようです。ご質問はメールもしくはフェイスブックの「さとやま農学校」会員限定ページに投稿してください。

すくなカボチャの種まき

一般的なカボチャと同じです。桃や桜の花の頃に合わせて種をまきます。おそくても5月のうちには蒔きたい。少し深めに埋めてください。さもないと水に浮いてきます。
触ってみてペコペコへたる種は発芽しません。発芽した種のうち、なかなか双葉が種から外れないものは力のない種です。鳥でも、自分で卵の殻を突いて出てこられないものはアウトですね。冷たいようですが、ここで弱いものは育ってからも生育が今一つです。

島オクラの種まき

蒔き時は5月の連休明けてからで大丈夫です。発芽率が低いので、できれば一つの植え穴に5粒から10粒の間隔をあけてまく。最後は3本くらいに間引く。かつてはひと穴に一本だけだったのが、今どきは3本ほど育てるようになっています。一晩水に漬けて給水させてから蒔くと良い。移植を嫌うので、ポットで芽出ししてから植え付けるなら芽が小さいうちに。

四葉キュウリ、メロン、食用ヘチマの種まき

どれもウリ科なのでカボチャと蒔き時は一緒です。四葉キュウリは栽培期間が4月に蒔くと8月の前半には終わります。なので、秋向けには6月中にもう一度まく。さらに7月の上旬に「地這いキュウリ」を蒔くと10月ころまでキュウリが食べられます。地這位は台風でも倒れないというメリットがあります。地面近くは逆転層で温度が微妙に高いので、それも活かせます。
ちなみに、相模湖周辺には「相模半白」という在来種もありますが、四葉キュウリとは違う「南支系」という中国大陸の南ルートで来たものです。夏の長日かつ高温時期には収量が落ちるので、これは3月中にまく。「飛び成り」といって、節のとびとびに雌花が付くので収量も低い。四葉など多くのキュウリは「節なり」性です。

トマト、トウガラシ、ピーマンの種まき

どちらもナス科です。トウガラシ(ピーマン)は発芽の地温が高めですので、踏み込み温床などがない場合には(冷床といいます)急がずに地温が上がるのを待ちます。直まきでもいいのですが、トマトやトウガラシの芽の形を知らないと雑草と見分けがつきませんので、まずはポットに蒔いてみてください。苗を逞しく育てる方法は講座でやります。

雑穀の種まき(タカキビなど)

蒔き時は4月に入れば大丈夫です。直まきが簡単でいいのですが、何しろイネ科なので、相当に慣れていないと雑草と見分けがつきません。
やはり市販の培養土を使って種まきをするのが無難です。そこから畑に移植もできます。田植えと同じですね。栽培は台風のときだけ気を付ければ難しいものではありませんが、収穫期は鳥との知恵比べです。

パクチーの種まき

ニンジンやフェンネルと同じセリ科です。水辺で競り合って育つから「セリ科」です。一晩水に漬けてから蒔くと発芽しやすくなります。雨が少ないときに露地にまくと発芽まで一月近くかかることもあります。4月から蒔けますが、秋の彼岸前にまけば、冬を越して4月には大きく育ちます。好きな人はたくさん蒔いて、根っこまで味わいたいですね。