さとやま農学校 2017コースレポート

3月

好天のキックオフです。
さっそくジャガイモから。
ジャガイモの栽培には、これから何十種類と出会う野菜作りのエッセンスがあれこれあります。
そこにつながるような説明をして、ジャガイモの準備と植え付けまでをゆっくり。
お昼は土曜コースは農園の畑で採れたホウレンソウと昨年のトマトピューレをベースのベジカレー。
水曜コースは、すっかりお世話になっている早川直美さんの雑穀ランチを。

午後は漬けな・春菊・その他の不耕起栽培、春の草との付き合い方、土のコミュニティの話。
イチゴの苗のケアの仕方・エンドウ豆の補植ほか。
収獲はそろそろ終わりのホウレンソウ、つぼみが食べごろの漬け菜などです。

それからクワの使いかた、付き合い方、身体動作のことなど。これも大事。
農学校は身体が丈夫でなく、それゆえに参加される方も多いのですが、そのためにも「小さなチカラで無理なく続く農法」が大事になってくることでしょう。

そのためには、まずは技術も大事ながら、五感を拓いてゆったりと土に触れていただくことからです。

キッヅの皆さんは、さっそく仲良くなって泥だらけのご様子でした。(写真はクリックで拡大します)


4月 ぐんぐん気温が上がり、光も強くなり、種まき、育苗、様々な草との付き合い方。
微生物も虫も鳥も、元気になってくる季節です。
野菜の種類は色々ですが、あまり古今お栽培を詰め込むのでなく、まずは土や植物がどんな原理で生きているのか、お互いに助け合っているのか、大きな流れを感じることが大事ですし、何より楽しいのです。
写真は4期受講生の福井千裕さんのご提供です。


6月

今年の梅雨は空梅雨で、かなり日照りに近い模様でした。
私たち農家はため息ついて空を見上げたものですが、こうした異常気象は毎年続いています。
大きく変動する気象の影響を和らげる土づくり、畑づくりがこれからの基本になります。
大規模農業ではむしろできない、そのような細やかな農的世界は、小さいからこそ豊かに実現できる部分もあるのです。
個々の野菜作りだけにとらわれるのでなく、
野菜が育つ世界をつくる、という全体的なイメージが大切です。これは理屈ではなく、現場で会得することです。写真は4期受講生の福井千裕さんのご提供です。

8月10日(水曜) 

夏の真っ盛り!
でも、何が何でも頑張るのでなくて、太陽と風をやんわりと感じる動きが基本になります。
無理はしない。野菜も虫も、自然に動いているのだから、その様子を真似てみるのです。
写真は4期受講生の福井千裕さんのご提供です。


9月31日(土)&10月4日(水)

すっかり秋の気配。
あんなに暑かった夏の畑が嘘のようです。
虫の音を聞き、秋風に吹かれての畑作業は、数か月の農学校でだいぶ慣れてきたこともあって、
かなりはかどるのです。何か月も通ってきたことを時間できるひととき、これからに向けて貴重な時間です。
夏野菜の収穫は盛りを過ぎつつ、まだトマトも健在。時間差をつけて6月に種まきした在来種の「四葉(スーヨウ)キュウリ」も元気です。早く種まきするばかりでなく、ぐっと腰を落ち着けて作るのも大事なことなのです。
一方で、落花生や里芋などの炭水化物系も収穫が始まりました。
秋を実感するひとときです。
今週のメインはイチゴ苗の定植。
ちょっと難しいのですが、イチゴの育ち方の基本から含めてじっくりとやりました。
写真をクリックすると、説明があります。


10月26日&11月1日

2回直撃が続いた台風が過ぎ去って、ようやく秋らしい空が安定してきました。
来年に向かえって土づくり「地ごしらえ」やエンドウ豆、ソラマメ、麦茶用の大麦などもまき終わりました。農業には年度の区切りはありませんから、こうしてコースをまたいでの作業もあるのです。11月後半は「篠原の里」にて、恒例の石窯ピザ、味噌づくり、こんにゃくづくりの3本たてもあります。写真をクリックすると説明が出ます。


11月 石窯ピザ&コンニャクづくり

毎年恒例「篠原の里」での石窯ピザ体験とコンニャクづくりです。
昨年は味噌づくりも一緒に、3つ同時デやりましたが、今年は味噌づくりは後にして、二つだけに絞りました。それでも普通のイベントの二回分はあります。


12月 最後の振り返り そして来年へ

農的サイクルはカレンダーのように12月で終わり、というものではありません。
すでに10月に蒔いた種や苗は冬の風の中でもしっかり根を張り、春に備えています。
枯れた草の下では、微生物たちがひっそりと春に備えています。
種取りを終えた種や保存した食物など、次の春につながっていくものもたくさんあります。
一年の講習を終えた皆さんと畑を振り返り、そうして各自のこれからのことなど話し合い、また自主活動や講座の二年目など、それぞれの形でご縁が続いていきます。