醤油もろみの香り・シラネ小麦

今年の醤油もろみを仕込んだのが4月21日なので、もう2週間ほどになります。
毎日のように天地返しをするのですが、昨年よりもずっともろみの香ばしいこと!
この香ばしさは、原材料の焙煎小麦のフレイバーです。
昨年と同じ長野の「なつみ農園」さんからいただいたシラネ小麦。

昨年とは違う品種なのですが。このキャスティングが当たりました。
なつみ農園さんの采配、さすがです。

じつはシラネ小麦は、パンにしたら、それほど美味しいものではありません。
と、私は思っています。
可もなく不可もない、面白みのない品種なのです。


私は焼き上がりから一週間くらいかけて熟成したパンが一番好きなのですが、
シラネ小麦のパンは1週間してもちっとも熟成がないのですね。
なんだこれ?という感じの拍子抜けなのですが、
今回のように焙煎してみて、その価値が良く分かりました。
いまこの香りが熟成してどのように変化するのか、それが実に楽しみです。

醗酵食品は世界に夥しいものがあります。

それをひっつかんで大まかに言えば、
「炭水化物とたんぱく質の組み合わせに酵素を働かせたもの」です。
炭水化物は主に甘みや香りを醸し、たんぱく質は旨みを醸す、
そんなオーケストレーションと思えばいいでしょう。
そこに添加物として塩やその他が加わる。

今回の醤油は、香りのパートを担当するシラネ小麦がまずは良い感じで奏でてくれています。
これがどう変わっていくでしょうか。
その辺の具合が大づかみに見えてくると、次の醤油づくりの設計もあれこれ試してみたくなります。
けれども、一年に一回きりのイベント故、パンを焼くようにはいかないのですね。

さて明後日は、醤油絞り機の仕上げをします。
そして6月のどこかで昨年からのもろみを搾り、
そして6月の24日にはまた大豆を種まきします。
一年の早いこと。