麹づくり

暦が改まって、麹を作っています。写真はステンレスの恒温槽。水槽に電熱器とサーモスタットが付いたシンプルな造作です。
麹を使った醗酵食品は東アジアに独特の文化ですが、北東中国に起源をもつ大豆という世界一流のたんぱく源があればこそ、でしょう。この地域で醤(ジャン)や鼓(チー)から始まった奔流は、朝鮮半島から海峡を越えて日本列島でも豊かなこと。一昨年のスライドトークで大橋弘さんと陸田幸枝さんに伺った貴重なお話を反芻すると、いまだに興奮を覚えます。

東アジアの醗酵食を辿るときに必ず引用される原典が中国の「斎民要術」なのですが、さすが陸田さんはご存知ながら、他に読んでいる人も少ないようです。
「最古の料理書」と言われるだけあって、例えば「神麹(かみこうじ)の作り方」という章もある。そのときに唱える呪文や人形の作り方まで書いてあってぞくぞくします。

ただし、中国の書物・学問は注釈学が基本だから、この本だけ読んでも駄目なのだそうです。注釈に挙げられた本を読み、その本のまた注釈書と、ひたすら遡っていくものらしい。そんなの無理だね。

せめて日本の研究者が書いた注釈書をあわせて、ああだこうだと神への道を(笑)。いえいえ、この本は本として普通に麹を醸しています。

麹が熟れたら、むっちり蒸した米を抱かせて酒にします。
冬場の酒は、ブルーカラーの自分にとってはあくまでカロリーメイト。つまり糖分の供給源だから、味だの香りだのは不問。あとは舐め味噌と薪ストーブがあれば十分。