さとやま農学校・野菜づくりの暦

★1月から「プレ講座」があります。
希望者のみの実習です。参加しなくてもハンディはありません。
春に向けて畑を整えつつ、皆さんも心身をゆっくりとほぐしてください。作業というよりも五感をひらくステップです。

★3月 野菜づくりが本格スタート。

畑とご挨拶。種をまく。ジャガイモ植え付け、苗づくり、そして微生物と出会います。
寒さで固くなっている身体をだんだんゆるめましょう。まずは肩の力を抜いてください。

ジャガイモひとつでも、植え付け方にはいろいろな方法があります。あれこれ試してみましょう。春先の寒い中で苗を育てる踏み込み温床は一人でも作りやすいものを作ります。とにかく基本の基本を学びます。植物はなぜ育つか、というようなところから始めますが、座学ではなく、あくまでも畑で体を動かしながらの説明ですので、眠くなりませんからご安心ください。

 

土づくりのキーワードになる醗酵は、その先も一年間、繰り返して学びます。手先のテクニックだけ身につけてしまうと「どうしてこうするのか?」が分かっていないので、あとあと応用ができません。かといって、理屈ばかりで頭から入ってしまっても、これはこれで不自由です。今はインタネットの時代で情報が多すぎるのですね。さとやま農学校では、特定の農法に限った教え方はしません。同じ無農薬でも、有機栽培や自然栽培など色々な農法がありますが、どれが良い悪いと決めつける必要はありません。大事なことは、畑の作り方を五感で感じられることです。「この方法が自分にいいみたいだ」と、ピンとくるのです。それが自分に正直なあり方です。

★4月 ネギやトマト・キュウリなど固定種野菜の種まき・植え付けラッシュ

実習全開!夏野菜の準備・苗の定植(ネギなど)あれこれ。
めまぐるしく、心躍る春から初夏へ、気持ちの良い日が続きます。あれもこれもと忙しい毎日ですが、天気もまだジェットコースターのような寒暖の差があり、下手をすると遅霜も来ます。慌てない。落ち着いて。空と対話しながら進めます。

★5月の農業体験は、夏野菜(トマト・キュウリ・ピーマン・カボチャあれこれ)の苗の定植。そのほかたくさん!

里芋・ナス・トマト・ピーマン・キュウリ・オクラ・かぼちゃ他、ハーブもあり、相当な種類の野菜を作ります。目まぐるしいけれど、何十年やっても実に楽しい!いつも明日が楽しみ。地温も上がってきて、土が動き出す季節です。同時に草も動き出す季節ですが、それを目の敵にするのでなく、上手に草を活かして共生する関係をつくりましょう。まさに自然農の極意です。

★6月は、空と大地を水が巡る季節

草取り・土寄せ・収穫(ジャガイモ・小松菜など)
梅雨の雨の濃さ。繁る草の凄さ!そして野菜も伸びる。
草取り。里芋やとうもろこしの草取り、土寄せ、あれこれと進めます。
都会の梅雨はうっとうしいですが、むしろ夏前に身体を整えてくれる大事な時期。雨合羽を叩く雨の音は、風情なものです。

★7月は、梅雨明けの太陽が眩しい季節

草取り・栽培管理・収穫(枝豆・とうもろこし・あれこれ)
ニンジンの種まき(種取りしたものを蒔きます)
ゆっくり深呼吸をして、無理をせずに作業をします。
この頃になると皆さん草取りもクワ使いも慣れてきてペースができてきます。
夏は実りの秋の始まり。この季節に大豆や人参をまいて冬に備えます。


8月 

熱中症の対策として、8月の講座は半日のみとなります。詳しい日程はこちらです。
昼は無理のない身体の動かし方を覚えましょう。暑さのなかにも日が短くなり、ひぐらしの声が秋の気配を感じさせてくれます。
トマトやナスなどの収穫に追われつつ、草取りに追われつつ、冬野菜の準備をします。夏の種まき(白菜・タマネギ・キャベツほか)は結構むずかしいのです。このあたりで例年、受講生の皆さんによる自主企画の畑キャンプがあります。なかなかよそではできない焚火を盛大に。朝は夜明けの畑で幻想的に。温泉に行ったりして楽しいですよ。今年も是非!


9月 
種まき・定植(カブ・大根・ホウレンソウ・白菜その他あれこれ)。一気に秋野菜の種まきを。秋は一日の遅れがあとで大きく響くのです。でも、台風などもあるので、なかなか思うように作業が進まないのもこの時期。お空とにらめっこも大事な作業です。


10月

ひそやかな里山の気配の中で、種取りもします。株は枯れても、イノチの塊のタネは残る。それを継いでゆく手仕事は、自分が大きな巡り合わせの中にいることを体感できます。自給の素晴らしさです。収穫はものすごい数になります。タマネギの苗定植・来年の地こしらえ。種取りも、たくさん。だいぶ涼しくなり、たわわな収穫を実感する季節です。畑で焚き火を囲んで焼き芋だの大鍋だの、という季節でもあります。


11月

収穫がっつりです。(大豆・白菜・人参・里芋・ネギ・カブ・漬け菜その他あれこれ)焚火を焚いて、大鍋で芋煮かなにか、暖かい物を食べましょうか。農園にある石窯でピザ焼き体験というスペシャルな体験もあります。


12月

 最終回は、やはり寒くても畑にしましょう。焚き火を囲んでゆるりとお互いの感想や、今後のことをシェアしたいですね。ぐうっと農的ライフに動き出す人、農村移住する人もいれば、お仕事や家庭のご事情でなかなか動き出せない人まで、それぞれです。なんにしても、焦ることはありません。次の年も農学校に通う方もおいでです(2年目からは無料です)。

 

台風の直撃や大雨などのときには翌週に延期します。それから大事なことですが、皆さんからの講座の内容へのリクエストを積極的に受け入れたいと思います。一緒につくる農業体験にしましょう。講座以外の日もお好きなだけ自主耕作できます。積極的にどうぞおいでください。ただし自主耕作の日は、バス停までの送迎ができませんので、バス停から畑まで歩いてください。30分から40分。自家用車の方はご自由にどうぞ。駐車スペースあります。

さとやま農学校だけの特典

①年間20回といわず、時間と熱意がある方は、好きなだけ講座に参加できます。登録以外の曜日でもOK.
②講座のない日でも自主練できます。
③二年目以降も、無料で講座に参加できます。
④卒業後も色々なイベントに参加できます。

⑤会員限定のSNSで情報交換(野菜作り・農的暮らし・自主企画・移住情報など)

普通はあり得ない特典ですね
皆さんに少しでも土に触れる時間を増やしていただきたいからです。
来れば来るほど確実に、農作業も上手になり、心身が健やかになっていきます。大地の力は、それほど素晴らしいものです。


「すどう農園」代表 
須藤章(すどうあきら)

(プロフィール)
1984年
に千葉大学園芸学部園芸学科を卒業。専攻は育種学。
その一方で旅が好き。主にアジア各地の農村を旅しました。

今のような「在来種」という言葉がほとんど知られていない時代でしたが、世界各地を巡る中で、伝統的な野菜や植物の遺伝資源が失われつつある様子を見ました。山奥の村に行っても、化学調味料や日本の種苗会社の種子が売られている様子は、なかなかショックだったわけです。大学の授業とは別に国内の農家で教わりながら、農薬も化学肥料も使わない「有機農業」を知り、将来をどうしたものかと迷いました。農家でない人間が就農できる余地は、今以上に狭かった時代です。海外とのつながりも深めたいとあれこれ悩みながら、卒業後は海外協力団体(NGO)のスタッフとして農業協力に携わりながら自給的農業へ惹かれていくのでした。

アジアの農村で自立を目指す人たちと東京の生活の往復は、やはり東京の自分の暮らしに矛盾ばかりが感じられて「他人の国のお手伝いよりもまず自分が自立しないと」という想いが日に日に強くなり、かなり自分自身が厳しい精神常態に追い込まれました。これは決して愉しい経験ではありませんでしたが、この時間は意味のある経験だったと思います。やはり人は、苦しいことも経て、そこを抜け出たところに、ひとつ新しい境地にたどり着けるのではないでしょうか。

その後は都会の仕事を辞めて埼玉県小川町での有機農業研修のお世話になりました。さらにそこから天然酵母パンの草分け「ルヴァン」を経て、石窯のパン屋を神奈川県の旧藤野町で開設。ここでようやく、自分が世界とつながることができた。そういう実感を得たのです。いま振り返れば、それまでの道筋にはすべて意味があります。無駄な時間はなかったといえます。宮古島ぐらしの2年間を経て相模湖に戻り「すどう農園」を設立。

ここまでの道のりは紆余曲折、枝分かれ、迷い道でした。それは今も続いています。そんなこんなを含めて受け入れてくれる里山をありがたく思います。これまでの色々な経験を活かして、都会の人たちに里山の多様性の豊かさや愉しさを伝えていきたいと思っています。
 

著書に「石窯のつくり方・楽しみ方(農文協)」など。

その他SNS:
ツイッター SagamikoOrganic

インスタグラム(すどう農園) sudo_farm

フェイスブック(すどう農園) https://www.facebook.com/Madovege/
メールマガジンバックナンバー https://e.bme.jp/bm/p/bn/list.php?i=sudoakira&no=all

YouTube    sagamiko888